漢方の本場「中国」日本とは違いすぎた

中国と日本の漢方の違い

北京中医医院での臨床研修

中国での研修で、日本と中国の漢方で大きく違うコトに気づいたんです。
それは日本と中国で生薬の煎じ方が違うこと。
今回は、中国研修で気づいたことについてです😅

漢方薬は自然を相手にします。
普段、食べているキャベツや白菜も、産地や採れる時期によって味が変わりますよね。
漢方薬で使われる生薬も採集時期、産地によって違いがあります。
そのため加工の方法、配合の仕方などにも素材に合わせて微妙に調整していきます。
さらに煎じ方にも細かな注意があるんです。

煎じる方法で変わる効能

日本の場合、生薬の種類に関係なく、30~60分程度煎じて服用するのが一般的です。
中国では生薬の種類によって煎じる時間を変えることが多いんです。

生薬の種類に関係なく、30~60分程度煎じて服用させるのが一般的。
中国では生薬の種類によって煎じる時間を変えます。
チョット面倒くさいんですけどね。

中国式の煎じ方は質量の重いものから煎じるのが基本。
磁石や牡跡・亀板などの鉱物・貝類は、有効成分が溶けにくいため、あらかじめ20分くらい先に煎じ、その後、一般の生薬を加えて更に煎じます。
そもそも、磁石が漢方生薬って信じられます😅
耳鳴りなどに使われているんです。

植物の花や葉は、煎じ過ぎると香りや揮発油などの有効成分が飛んでしまうので短い時間になるんです。
特に薄荷のように香りが大切な生薬の場合、一般の生薬を煎じ終える直前(5〜10分前)に加えます。

栄養分をたっぷり含んだ根や茎は、その中間くらい。
有効成分を抽出するために、とろ火でやや長めに煎じる必要があります。

注意しなければならないのは、煎じる時間によって薬効が大きく違ってくる生薬あること。
たとえば便秘の薬として知られている大黄には、瀉下(しゃげ)作用の成分と、相反する収斂(しゅうれん)作用の成分とが含まれています。
瀉下作用のある成分は熱に弱く、長く煎じると収斂作用の成分が残って、服用するとかえって便秘がひどくなることも。
中国漢方は、煎じ方ひとつとっても多彩すぎます。
この時の研修は、今の私の基礎になっている大切な経験でした。

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