「漢方薬の誕生」漢方薬の作られ方

各処方や症状に応じた加減が大切

歴史や時代を越えて受け継がれたり残るモノってありますよね。
今、目の前にある漢方薬、全てが膨大な時間を経て残るべくして残った処方なんです。
薬局、薬店などでも一般に購入できる漢方薬も今から約二千年前(後漢の時代)に著された「傷寒論(しょうかんろん)」の処方である葛根湯や小柴胡湯など、皆さんも良く知っているはずです。
ただし、日本では重宝するあまり、これらを絶対化し、その後に生まれた新しい処方を認めようとしない人もいるんです。
特に、漢方の専門家に多いかも。
これは少し考えて欲しいかな。

処方は、囲碁でいうならば定石に相当します。
実際の臨床にあたっては、個々の症状に合わせて、薬物の分量を臨機応変に加減していく必要があるんです。
また、時代や環境の変化に対応して、新しい処方(定石)も編み出されています。
そう、漢方は進化しているんです。

例えば、疲れやすく元気が出ない、息切れがする、食欲がない、といった気虚タイプの人によく使われる基本処方に四君子湯があります。
これに理気(気を巡らす)作用のある陳皮を加えると異功散という処方にかわるんです。
さらに異功散に、去痰作用のある半夏を加えると六君子湯になり、下痢やむくみ、痰が多いなどの症状を改善する作用が加わることに。

六君子湯に、さらに理気作用のある木香・縮砂を加えた処方が香砂六君子湯あり、腹痛・腹部膨満感などに対する効果が強化されます。
香砂六君子湯も体質などで使い方を考えます。
誰にでも使えるわけではありません。
いずれの処方も消化機能低下に対する処方なのですが、症状の違いにより使い分けることが大切。

臨床経験を重ねたことでできる漢方処方

いわゆる名処方といわれるものは、神が作ったものでもなければ、偶然の所産でもないんです。
名医の豊富な臨床経験をもとに、一定の配合理論に基づいて科学的に作り出されたものなんです。

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