妊娠率を上げるために運動習慣と食事制限が効果的な理由

不妊治療にダイエット(正常体重)は必須

運動すると着床率が変わるってホント

インターネットで妊娠率について調べると、よく目にするのが体重とダイエットではないでしょうか。
でも、本当に妊娠率に影響があるのか、気になりますよね。
実際に研究報告は、されています。
運動しながら、体重をコントロールすることで着床率に変化がある、という研究報告。
この研究報告の内容でのポイントが「運動」。
それも心拍数が上がる運動を継続することで、妊娠率や出産率に影響があるというのです。
でも、ナニが変化するのでしょう?
どうやら、卵子の成長に影響があるようです。
実際に胚盤胞形成率が高くなる、という研究報告もあります。

日々、運動するということと、通勤している、仕事で体を使っている、というのでは少し違います。
妊活のために、時間を作る。
ということが、とても大切なコト。

肥満女性の体外受精前の運動が治療成績を上げる

こちらが、実際の研究報告になります。

Physical activity before IVF and ICSI cycles in infertile obese women: an observational cohort study
「肥満女性の体外受精前の運動が治療成績に及ぼす影響」

肥満女性の体外受精や顕微授精を受ける前の運動習慣はその後の高い着床率や妊娠率、出産率に関連する研究報告されました。

イタリアのモデナ・レッジョ・エミリア大学の研究チームが調査したところ、BMIが30を超える肥満女性が運動を生活習慣とした場合、体外受精や顕微授精の治療成績に、影響がでることがわかったんです。

まずは、初めての体外受精や顕微授精をされる女性216名を対象に、治療開始時にアンケート形式で普段の運動習慣を調べました。
アンケートから、それぞれ運動レベル別に以下の4つのカテゴリーに分けました。

(a)週単位で運動習慣がない
(b)週の大半は軽い運動を行っている
(c)週に1、2回、心拍の上昇や発汗を伴う運動を20分以上行っている
(d)週に3回以上、心拍の上昇や発汗を伴う運動を20分以上行っている

まずは運動しないグループ(175名)と運動習慣があるグループ(41名)の2つのグループで体外受精や顕微授精の治療成績を比べた結果、運動習慣のあるグループの着床率や妊娠率、出産率が運動しないグループに比べて統計学的に有意に高かったんです。

運動習慣のあるグループ:着床率 22.7%(22/97)
妊娠率は39.0%(16/41)
出産率は24.4%(10/41)

運動しないグループ:着床率 6.9%(23/332)
妊娠率は16.0%(28/175)
出産率は7.4%(13/175)

この調査から、はっきりと分かることがあります。
体外受精や顕微授精前の運動習慣は着床率や妊娠率、出産率に関連すということです。

習慣的に運動している場合、実際に妊娠率、出産率がどのくらい違うのか?
治療成績に関連する因子の影響を統計学的な手法で排除して、治療前に運動週間のある肥満女性は運動しない肥満女性に比べてみると、

妊娠率は3.22倍
出産率は3.71倍

どちらも、習慣的に運動しているとこで、どちらも3倍を超える違いがあるんです。
肥満女性の体外受精や顕微授精前の運動習慣は体重が減らなくても治療成績に良い影響を及ぼすかもしれないという報告がされています。
妊娠しやすい体作りのために初めて欲しいコト。
まずは、朝食をしっかりと食べる。
そして、心拍数を上げる運動です。

肥満は女性の妊娠する力を低下

最近の研究報告されていることに肥満女性の妊娠率があります。
まず、肥満女性の場合、妊娠に至るまでんの期間が長くなるということ。
そして不妊症のリスクが高いということです。
自然妊娠、高度生殖医療どちらの場合でも妊娠は、肥満女性の場合、標準体重の女性に比べて妊娠率や出産率が低いということです。
さらに流産率が高くいという多くの研究報告があるんです。

妊活で食事が大切と言われているのは、このような研究報告があるからです。
そのため食生活の改善や運動で減量することが不妊症リスクの低下に繋がると言わるんです。

ここで、いつから運動を始めれば良いのでしょう。
減量、ダイエットに関係なく、治療、妊活、前からの運動習慣、妊娠しやすい体作りに影響があることがわかってきたんです。

まずは減量の有無にかかわらず、治療前の運動習慣は体外受精や顕微授精の治療成績にどのように関連するのかを調べたのが今回の研究報告です。

今回の研究報告では肥満女性をBMI(体格指数)を30以上としています。

日本肥満学会では、BMIが22の場合を標準体重としており、25以上の場合を肥満、18.5未満である場合を低体重となっています。
つまり、少し緩い基準での研究報告ですね。

結果は治療前に運動習慣のあった女性は、なかった女性に比べて体外受精や顕微授精の着床率や妊娠率、出産率が良好ということです。

肥満女性が妊娠しづらくなる原因として、さまざまなメカニズムによるものと考えられています。

ウォーキングだけでも着床環境の改善が

今回の研究報告の治療成績では、卵巣刺激の際に必要とされた排卵誘発剤の量や発育卵胞数、採卵数、受精率、分割率、高いグレードの受精卵の数なのでに影響がみられないということです。

では、どうして、妊娠率や出産率に違いが現れたのでしょう?
治療前の運動習慣が影響を与えたのは卵巣機能や受精卵の質ではなく着床環境ではないかと考えられます。

どのような理由であれ、不妊治療に臨む全ての女性は体形に関わらず、ウォーキングのような緩やかなレベルでも、まずは運動する習慣を身につけることは着床環境にプラスになるようです。

胚盤胞形成率を上げる方法

体外受精で最初のハードルが受精卵の成長ではないでしょうか。
肥満の場合、胚盤胞になる率が低くなるかもしれない、ということを知っていますか?
また、流産率を下げるためにできることがあるのを知っていますか?

この章での研究報告は体外受精を行う際、正常BMI群(肥満でない人)と高BMI群(肥満の人)それぞれの場合で胚盤胞形成率に差があるという研究報告です。
結果、正常BMI群(肥満でない人)程、胚盤胞形成率が高いことです。

胚盤胞形成率とは、受精卵が胚盤胞まで育つ確率です。
この数値が高ければ、高いほど、全体的に卵子の質がよいということになります。
具体的には採卵をして、いくつかの卵子を採卵できたとします。
そのさいに胚盤胞形成率が高い人ほど1採卵あたりの妊娠率が高いということになります。

肥満患者の胚は移植後の流産率が高くなるという報告もあります。

このことは体外受精にだけでなく自然妊娠の場合でも同じことが言えるんです。
ただし、自然妊娠の場合は体外受精と違って体内の胚の状態を見ることが出来ないので、実際に胚盤胞まで育っているのかなどは分かりません。

これらの報告から、わかることとして、

肥満の人ほど胚盤胞形成率が低い=肥満の人ほど妊娠しにくい

そして、

肥満の人ほど胚の質が悪いことが多い=流産しやすい

ということが言えるのではないでしょうか。

肥満を解消することは立派な不妊治療です

肥満の解消に糖質制限ダイエットがおすすめ。
肥満は不妊の原因になりますが、逆に肥満を解消することで妊娠しやすくなります。
メッチャ簡単なことのようで、無茶苦茶、難しいコトでもあります。
肥満があって不妊で悩んでおられる方の中には、中々妊娠しないというストレスによってさらに肥満が加速するという方も多いんです。

当店での不妊症相談でも、最も難しいのは肥満の解消、ダイエットだと思っています。
肥満から正常体重へ、つまり、普通に健康的な体作りということ。
健康的な体作りとは、妊娠しやすい体作り、ということです。
肥満から、より健康になることが不妊治療なんです。

ただし、やり過ぎはダメ。
過度なダイエットは別の意味で排卵異常など不妊症の原因になることもあるからです。
あくまで適正体重の維持が妊孕性を保つ点で最も重要な要素なんです。

いつも、研修でお世話になっている「英ウィメンズクリニックサプリメントサポートセンター」では妊活中の食事として糖質制限食を推奨されています。
摂取カロリーに占める糖質の割合を減らし、タンパク質、脂質の割合を増やすことでかなりのダイエット効果が期待できるそうです。

そしてこの際、非常に大切なことは、総摂取カロリー量を減らすのではなく、カロリー量は維持しながら、総カロリーに占める糖質を減らし、タンパク質、脂質に置き換えることがコツなんです。

脂肪が太ると勘違いされている方が多いのですが、太る原因は糖質。

不妊治療のストレスから甘いものに走ったり、白米のドカ食いをされる方も、現実におられます。
無理に量を変えるのではなく、この際ドカ食いの対象を糖質の多いものから、肉、魚、卵、チーズなどのタンパク質や脂質を多く含むものに置き換えることで肥満のリスクを減らしてみてはどうでしょう。

人は、我慢を続けることが難しいと思います。
そのためストレスに耐えながら食べることを我慢し続けるカロリー制限を中心としたダイエットは続かなく、逆に脱落した時に必ずといっていいほどリバウンドします。
食べること自体を極端に制限せず、少しだけ量を気をつけながら食べる対象をただ変えてみるのがオススメです。
食べていいんです。
治療が上手くいかないストレスのはけ口として、食べたくなることもありますよ。
その時に、食べるものさえ選ぶ、というのが重要になります。

カロリー自体を制限すると、人の体は飢餓状態と認識してかえって脂肪を蓄える方向に働くようシステム化されているため、必ず体重が思うように落ちなくなります。
そう、皆さんご存じの停滞期です。

カロリー制限ダイエットは典型的な失敗する大きな理由です。
では停滞期を乗り切るために、どうしたら良いのでしょう。
ここでも、重要なのがカロリー摂取量自体は維持しながらの、タンパク質、脂質をしっかりとることなんです。

妊活の基本は食生活の見直しから。
なぜなら、妊活のコスパがいいからです。
不妊治療は、お金がかかります。
少しでも妊娠率を上げるために、食生活を見直す、そして肥満解消は、健康にも、美容にも、そして不妊の改善の1つになるはずです。
しかし食べ方を変える、食べる物を選ぶことで肥満を解消し、妊孕性を高めることができるはずです。

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