食と妊娠率の深い関係(PCOSとダイエット)

朝食を食べることで正常体重でも妊娠しやすいカラダに

海外の論文であきらかになったことがあります。
食事のタイミングによって妊娠のしやすさが変わるということです。
ポイントは「朝食」。

もし、朝、10分、早く起きて朝食をしっかり食べることで妊娠率が上がるということが証明されたら、どうします?

健康的な生活習慣のイメージで、思い浮かべるのが「朝食」ではないでしょうか。
ある意味、一般常識になっていますよね。
でも、難しいのも朝食。
なぜなら、朝は、とても忙しい時間だから。
5分、いや1分でも惜しい。
私も、どんなに早起きしても、ナゼか時間が足りなくなるんです。
それでも、不妊治療をしているのであれば、朝食を食べない、というのは、もったいないことなんです。
それは、妊娠率を上げるために、もっとも簡単にできることが朝食だから。

5分、早起きして、少しでも食べることからはじめてみませんか?
継続することて、しっかりと食べれるようになるはずです。

今回の研究報告はダイエットとは違います。
体重を落とす、ということではなく、妊娠しやすくなるかどうか、ということです。
そのため、太っている方ではなく、正常体重(普通体形)の方でも朝食を食べ、夕食を軽くすると妊娠しやすい体になれるかもしれない、という論文です。
そう、不妊治療のためのエビデンスです。

妊娠しやすいカラダは健康なカラダ(専門的な事実)

「朝食をしっかり、夕食を軽く食べることでPCOS女性の排卵率が高まる」

(Effects of caloric intake timing on insulin resistance and hyperandrogenism in lean women with polycystic ovary syndrome)

あくまで、「正常体重の女性」についての論文です。
よく、肥満の方の妊娠率について食事制限の情報がありますが、実は正常体重の女性の場合でも食事の量や食べ方で妊娠率に差があることがわかってきています。

妊娠率を上げる食事と言っても、沢山の情報が溢れています。
ナニから始めたらいいのか、また、本当に結果に繋がるのか、不安ですよね。
まずは朝食をしっかり食べることから、始めてはどうでしょう。
朝食をしっかり食べる、ということは、妊活だけではなく、普段の健康面にも良いことが多いはず。
次に、夕食をコントロールするようにしてみるんです。
朝食を食べれない人の多くが夕食を食べ過ぎています。
朝食をしっかりと食べ、夕食を軽く食べることで肥満ではない、つまり正常体重のPCOS女性でも排卵率が高まることがイスラエルの研究で報告されたんです。
論文の内容として、インスリン抵抗性や高アンドロゲンが改善され、排卵率が高まるということです。
理由は、理解する必要はありません。
妊活されている女性、全てが専門家では無いからです。
理屈は専門家に任せましょう。
理解できなくても行動はできるはずです。

正常体重(太っていないくても)でも朝食は妊娠率に影響するらしい

ここからは、数字が沢山出てくる内容になります。
なるべくわかりやすく解説していこうと思いますが、読まなくても大丈夫です。

テルアビブ大学の研究チームはBMIが正常な(肥満ではない)PCOS患者60名をランダムに2つのグループに分けて調査しています。

1)朝食をしっかり食べるグループ
2)夕食をしっか食べるグループ

どちらも1日の総カロリーは1800kcalとなっています。
1日に食べるカロリー(イメージとしては量)は同じですが、時間配分でカロリー(食べる量)に違いがあります。
それぞれのグループは次の通りにカロリー配分にされています。

1)朝食しっかりグループ:朝食980kcal:昼食640kcal:夕食190kcal
2)夕食しっかりグループ:朝食190kcal:昼食640kcal:夕食980kcal

数字だけで判断すると、以外としっかり食べていますよね。
ここで気になるのは、質より食べる時間で、妊娠のしやすさが変わるということ。
90日後(約3ヶ月後)インスリンやブドウ糖、テストステロンのレベルを測定とうい流れになっています。

ナゼ?テストステロン(男性ホルモン)が不妊治療で重要なのか

気になる現実(報告)の前に、テストステロンについて知っておいて欲しいことがあります。
最近、若い女性の不妊症治療にもテストステロン(男性ホルモン)が使われています。
ナゼ、不妊治療に必要なのでしょう?
男性ホルモンですよ、、、、

卵巣の周囲には、皆さん気にしている「顆粒細胞層」が覆っています。
あまり知られていませんが、顆粒細胞が男性ホルモンを女性ホルモンに変える働きがあるんです。
つまり男性ホルモンが卵子を成熟させて排卵を促している、ということ。
一般の不妊症の治療で、女性ホルモンを補充しても、顆粒細胞に取り入れられない場合がわかってきています。
このような状態では、まさに女性ホルモンの原料となる男性ホルモンで、対応することが行われるようになってきたんです。
この治療方法は全ての不妊専門病院で対応しているわけではありません。
病院または医師に確認してみてください。
男性ホルモンの補充に関しては、更年期及びそれ以降の体調不良に、応用が始まっています。

ここで、注意して欲しいことがあります。
そもそも、女性には女性ホルモンと男性ホルモンの両方が体内に存在しているということを憶えておいてください。
そして、女性にとって、男性ホルモンは悪者ではないということ。
不妊治療でも、必要なホルモンなんです。

食事の時間で変化する女性の仕組み(妊娠の仕組み)

ようやくですが、本題の食事を食べるコツについてです。
まずは、朝食をしっかり食べたグループ、夕食をしっかり食べたグループ、どちらのグループもメタボの指標であるBMIには、変化は見られなかったんです。
この結果だけ見ると、ダイエットとは、あまり関係ないのかもしれないということです。
でも不妊治療に関係した部分では大きな違いがあったんです。
夕食をしっかり食べたグループはインスリンやテストステロンのレベルが高かったのに対して、朝食をしっかり食べたグループはインスリン抵抗性は56%、テストステロンレベルは50%、それぞれ低下し、さらに排卵率が50%高まったんです。
これって、凄いコトですよね。
食事の量を、朝、多くするだけ。

このことから、朝食をしっかり、夕食を軽く食べることで、食後の血糖値の上昇が抑制されることにより、インスリンをコントロール出来ることがわかりました。
そのためPCOSの排卵障害の改善されているようなのです。

皆さんが気になるのは「ナニを食べたらいいの?」ですよね。
実際には食材よりもカロリーが影響している可能性があるんです。
つまり、食材を選ぶ前に、甘いモノなどを注意することが大切ということです。
もちろん、健康に良い食材は、大切ですが、まずは、カロリーコントロールが大切なんです。

PCO(多嚢胞性卵巣)とは小さな卵胞がたくさんみられる状態の卵巣のことをいい、超音波検査で確認できます。
PCOSの場合、妊娠しにくい理由として、排卵しづらい、あるいは、排卵しないという月経異常を伴います。
さらに、血中男性ホルモン値が高い、または、LH(黄体化ホルモン)値が高い、この3つをすべて満たすと、PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)と診断されることに。

男性ホルモンの値が高いため、卵胞は発育するものの途中で成熟が阻害されてしまい、排卵障害や無排卵を招くことで、不妊の原因になります。

不妊治療にダイエットは有効なの

ただ、症候群ということになると、その症状は決して一様ではありません。
肥満や内臓脂肪過剰、また、毛深くなるなどの男性化傾向がみられることがあったり、インスリン抵抗性といって、インスリンの効き目が悪くなって、糖や脂質の代謝に異常をきたす状態が、男性ホルモン値が高い背景にあることもあります。
つまり原因となるメカニズムはとても複雑なんです。

PCOSによる排卵障害の治療は、まずは、排卵誘発剤を使いますが、あくまで、対症療法です。
そのため、セルフケアとして、ダイエット(減量)が勧められています。特に糖質制限がお勧めです。
統計的にPCOSの女性には肥満が多く、減量することで排卵しやすくなっているようです。

ところが、大事なので、もう一度いいます、ところが、、、、
特に日本人なのですが、BMIが正常な肥満でないPCOSの女性が少なくありません。
そのため、インスリン抵抗性がある場合には、食後の血糖値を急上昇させない食べ方をすることで、血糖値の上昇や下降をより穏やかなものにし、インスリンの分泌を少なくすることでホルモンのバランスが改善されることが、わかってきたんです。

朝食をしっかり食べ、昼食、夕食と次第に軽くする。
ただしカロリー制限だけでは日本人の場合難しいので、炭水化物(糖質)の量を制限が必要があるということです。
コツとして、普段の食事の際に食物繊維が豊富な野菜から食べ、次にたんぱく質、最後に炭水化物を食べることでも食後の血糖値の上昇をゆるやかにするといわれています。
不妊治療で大切なコトは普段の生活で、できることは素直に始める、そして継続することです。

このことはPCOSと診断されている女性だけでなく、不妊治療をされている全ての女性に当てはまります。
理由は高血糖状態は卵細胞にダメージを及ぼす酸化ストレスを高めたり、AGEの産生を促進したりして、卵質の低下を招く恐れがあるからです。
妊娠を望む全ての女性に勧められる「食べ方」が朝食をしっかり、夕食を軽め、ということです。

漢方生薬

PCOSに漢方という選択

漢方には糖質の吸収をコントロールを体質から判断して、使うコトがあります。
PCOSの患者様に食事前に漢方を服用してもらう事により排卵率を高めることもできそうだと思いませんか。
まずは、相談してみては。
相談は無料です。

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