漢方の漢字の意味って凄いんです:月経不順について

名前には意味がある

皆さんの名前には、親の思いなど、意味があると思います。漢方も同じなんです。採取された場所の特徴や、効能から見た意味などから名前が付くことがあります。昔は、ほとんど注目されなかった漢方も、その効果が認められ、今では凄く有名になった漢方もあるんですよ。こんなに有名になるなんて、10年前には想像できませんでした。今回は、名前の由来についてです。

「阿膠」 補陰剤 血剤・止血剤 月経不順

生薬の名称の由来にはいろいろあるります。特産地の名を冠したものも多く、四川省から一字をとった川きゅう。他にも杭州産の杭菊花などはよく知られています。
女性と縁が深い「阿膠」もその一つ。阿膠は、ロバの皮を水で煮詰め、ニカワ(膠)として固めた物。これを漢方として使った人は凄いですよね。
水質の良さで知られる中国山東省東阿県の地下水を使って作ったものが最上質とされ、ここから「阿」の字をとったとされています。
阿膠は、漢の時代には補陰(体液を補う)剤として用いられていました。現在では補血(血を補う)剤・止血剤として使われることが多くなっています。月経不順、冷え症などの婦人病の諸症状など。他にも貧血(再生不良性貧血など)・紫斑病、血友病などの、血液病にも幅広く使われています。

中国には、月経後に阿膠・竜眼肉・大棗(なつめ)を煎じて飲むという養生法があります。
これは、月経時に血液が失われ、貧血気味になるのを防ぐためなんです。この阿膠と作用の似た生薬に当帰があります。
血を補って月経不順を調整する働きがあるため、日本でも婦人病によく用いられています。ただし、当帰には活血(血行促進)作用もあるんです。

出血傾向がみられる時には、止血作用のある阿膠と組み合わせて用います。補血作用を増強し、出血傾向を抑制するため、月経時の出血がダラダラと止まらず、貧血状態が続くような時に効果があります。

この二つを主薬とした漢方製剤があり、月経不順、月経痛、貧血、不妊症などの婦人諸病に用いられています。

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