口の中に小さな傷のような痛み。食べるのも、話すのも、歯を磨くのもつらくなる口内炎。
20代の頃は「放っておけば治った」のに、40代になると「痛い・治らない・繰り返す」と悩む女性が増えています。
その背景には、40代女性に特有のストレスや体質の変化があります。
特に注意したいのが実熱(じつねつ)タイプの口内炎です。
ここでは、実熱タイプの特徴、原因、改善に良い食材、生活習慣、漢方の考え方まで、40代女性向けにやさしく丁寧に解説します。

実熱タイプの口内炎とは(特徴)
実熱タイプは「炎症の勢いが強い口内炎」です。
次のような特徴があります。
- 口内炎が赤く腫れている
- 痛みが強い(チクッ、ズキッと鋭い)
- 周囲も赤くほてっている
- 舌の色が赤い
- のどが渇きやすい
- 顔がほてる
- イライラしやすい
- 胃腸が重だるい、便秘気味
- 辛いものや油っこいものを食べると悪化する
これは、体の中に余分な熱がこもり、炎症が暴走している状態です。
なぜ40代女性に実熱タイプが多いのか
40代女性の生活そのものが「熱を生む原因」になります。
1. ストレスで熱がこもる
仕事・家事・育児・介護など、40代は人生で最もストレスが多い時期です。
中医学では、ストレスで「肝」が高ぶると、のぼせ・ほてり・イライラが起こり、実熱につながります。
2. コーヒー・甘いもの・お酒が増えやすい
忙しい女性の「定番ルート」はこんな感じになりがちです。
- 朝のコーヒー
- 午後のコーヒー
- 疲れた時の甘いもの
- 夜のお酒
これらはすべて熱と湿を生む組み合わせで、炎症を悪化させます。
3. ホルモンバランスの変化
40代後半〜50代は、体の潤い(陰)を作る働きが自然に低下します。
潤いが減ると、熱が逃げずにこもり、実熱が悪化します。
4. 睡眠の質の低下
口の粘膜は夜に修復します。
そのため、睡眠不足は治りを大幅に遅らせる原因です。
実熱タイプに良い食材(熱を冷ます・潤いを補う)
実熱タイプで大切なのは、
- 熱を冷ますこと
- 潤いを補うこと
この2つが揃うと回復が早くなります。
野菜・きのこ(熱を冷ます)
- トマト
- きゅうり
- 冬瓜
- ゴーヤー
- 大根
- レタス
- ほうれん草
- チンゲンサイ
- 菜の花
- 水菜
- セロリ
- せり
- ゆり根
- ごぼう
- れんこん
- たけのこ
- もやし
- まいたけ
とくにトマト・きゅうり・冬瓜は強力な清熱食材です。
果物(潤いを補い乾燥を防ぐ)
- すいか
- いちご
- りんご
- 梨
- バナナ
- キウイ
- 柿
- びわ
- グレープフルーツ
- オレンジ
潤い不足が強い40代女性には、毎日少しずつの果物が有効です。
その他(粘膜の回復)
- 豆腐
- こんにゃく
- 菊花(菊花茶)
豆腐は熱を冷ましながらタンパク質で粘膜を回復させるため、夕食に特におすすめです。
実熱を悪化させる食べ物
以下はできるだけ避けたいものです。
- 辛いもの(唐辛子・カレー)
- 味の濃い料理
- 熱々の料理
- お酒
- 甘いもの
- 油もの
これらはすべて、熱を生む、または熱をこもらせる食べ物です。
とくに「辛いもの × お酒」や「甘いもの × コーヒー」は悪化しやすい組み合わせです。
今日からできる生活改善
忙しくても続けやすいポイントを5つにまとめました。
1. コーヒーは1日2杯まで
特に午後のカフェインは実熱を悪化させます。
2. 夜の甘いものを控える
20時以降の糖分は「熱+湿」を生み、炎症を長引かせます。
3. お酒の量を減らす
週2〜3日休肝日をつくるだけで、口内炎の再発率が下がります。
4. お風呂はぬるめにする
38〜39℃のお湯に10〜15分。
熱いお風呂はのぼせ → 実熱悪化につながります。
5. 寝る前のスマホをやめる
スマホの光は睡眠の質を下げ、粘膜の修復を妨げます。
実熱タイプに合う漢方の考え方(商品名なし)
漢方では、実熱タイプに次のような方向性でアプローチします。
- 熱を冷ます処方
- 潤いを補いながら熱を冷ます処方
- ストレスによる熱を鎮める処方
特に40代女性は、「熱」「ストレス」「睡眠不足」が重なる複合タイプが多く、体質に合わせて選ぶ必要があります。
繰り返す場合は専門家に相談するのが確実です。
実熱改善の1日のモデルプラン
朝
- 白湯
- りんごやバナナ
- コーヒーは1杯まで
昼
- レタス・きゅうり・トマトなどのサラダ
- 辛いものは控える
午後
- カフェインを控える
- おやつは梨・キウイ
夜
- 豆腐・大根・チンゲンサイのスープ
- お酒を控える
- ぬるめのお風呂
- 寝る前のスマホ禁止
長く続く口内炎は病院へ
以下の場合は病院の受診が必要です。
- 2週間以上治らない
- 同じ場所に繰り返す
- 固いしこりがある
- 舌の痛みが続く
- 発熱を伴う
口内炎だと思っていたら別の病気が隠れていることもあります。
まとめ
40代女性に多い「実熱タイプの口内炎」は、
- ストレス
- コーヒーや甘いもの
- お酒
- 睡眠不足
- 更年期の変化
など、現代生活が深く影響します。
熱を冷ます食材、潤いを補う食材、生活習慣の見直し、漢方の考え方を取り入れることで、
つらい口内炎は改善しやすくなります。
小さな炎症ですが、体からの大切なメッセージ。
無理せず体をいたわってください。
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