体質で「実熱」と「虚熱」の二種類
こんにちは、漢方薬の専門家、岩本です。今回は、病気の性質が「実熱」と「虚熱」の二つに分けられることについて、詳しく説明します。舌診を用いた漢方的な判断方法について触れましたが、今回はさらに踏み込んで、熱性の症状がどのように現れるかを解説します。
舌診の重要性
舌診とは、舌の色や苔の状態を観察して体の状態を判断する方法です。これにより、原因不明の不調の原因を理解しやすくなります。舌診を知っておくと、日常の健康管理に大変役立ちます。
寒性と熱性の違い
まず、病気の性質が寒性か熱性かで使う薬が異なることを理解しましょう。
- 寒性の症状:
- 体が冷える
- 疲労感が強い
- 食欲がない
- 熱性の症状:
- のぼせる
- 体がほてる
- 口が渇く
実熱とは?
エネルギーが過剰な人
実熱は、体力があり、エネルギーが過剰な人に見られる症状です。急性炎症の初期や、酒や辛味などの体を温める食べ物を多く摂る人にも多く見られます。この場合、体内に熱エネルギーが停滞し、次のような症状が現れます。
- 具体的な症状:
- 体全体が熱っぽい
- 精神が高ぶる
- 皮膚炎が出やすい
例:
例えば、活発で元気な人や、最近辛い料理やお酒をたくさん摂取した人です。
虚熱とは?
虚弱体質の人
一方、虚弱体質の人や長期間の病気で体力が落ちている人は、栄養分や水分(体液)が不足しやすくなります。この場合、体全体のバランスが崩れ、次のような症状が現れます。
- 具体的な症状:
- のぼせる
- 体がほてる
- 口が渇く
- 微熱が続く
例:
更年期の女性や、自律神経失調症の人、放射線治療を受けている人が該当します。
舌診での見分け方
舌の状態を見ることで、実熱と虚熱を見分けることができます。
- 実熱の場合:
- 舌の色が濃い赤
- 舌苔は黄色
- 虚熱の場合:
- 舌の色は赤いが、水分が不足しているため、舌苔がごく薄いか、全くない
- 時には舌が鏡のようにツルツルして見える
- ひどい場合は、舌に溝のようなヒビ割れができる
虚熱の治療方法
虚熱の治療には、抗生物質や一般的な解熱剤はあまり効果がありません。このような場合、不足した水分(体液)を補い、微熱を取り除く作用のある漢方薬が有効です。
- おすすめの漢方薬:
- 瀉火補腎丸(しゃかほじんがん):不足した水分を補い、微熱を除去する作用があります。
まとめ
漢方の知識を活用して、体調管理をしっかりと行いましょう。舌診を用いて自分の体の状態を知り、適切な対策を取ることで、健康を維持することができます。体のバランスを整えることが、健康維持の第一歩です。
もし何かご質問やご相談があれば、いつでもお知らせください。健康管理を一緒に進めていきましょう。