陰虚って?
漢方では、体質を判断していくことから始めます。
今回は睡眠と陰虚の関係についてです。
陰虚タイプとは、全身の潤いが不足していることが特徴の体質のことです。
いろいろな理由で潤いが不足してしまい、乾燥したり、身体が熱っぽくなる状態のことです。
陰虚による不眠のための漢方薬
気の流れを乱は、誰しもが感じるコト。
特に喜怒哀楽などの感情の変化は病気を引き起こす原因の1つになっています。
漢方の古典に書かれています。
「怒りは気を上げ、喜びは気を緩め、恐れは気を下ろし、悲しみは気を消す」
意味は、大きな情緒の起伏が病気の引き金になるから、理解し、注意すること。
難しい表現ですが「喜びは気を緩める」とは、緊張を解いて、リラックスさせるという意味が含まれているんです。
悦び過ぎると体の負担になる
「喜びは気を緩める」、それにも限度があるんです。
過度の喜びは、心身を興奮させ不安定にするからです。
漢方では、五臓六腑のなかの「心」を、心臓という意味だけでなく、もっと広い意味で捉えています。
精神・感情をコントロールする機能としての働きです。
喜び過ぎたり、はしゃぎ過ぎると、心身の興奮から心の気を消耗してしまい、逆に気持ちが落ち着かなかったり、考えがまとまらない状態に。
また、不眠、不安感などの精神症状が出やすくもなるんです。
特に更年期にさしかかった女性などは、注意が必要です。
精神を安定させる生薬(安神薬)には、遠志、酸棗仁、茯苓、柏子人などがあります。
これらの生薬を中心に組み立てられた、漢方薬も一般的に販売されています。
これらの処方には安神薬としての働きの他に、心気を補う党参、体に潤いを持たせ興奮を鎮める生地黄、麦門冬などが配合されています。
中国清代の小説「紅楼夢」の中にも、女主人公に処方される薬として登場しているんですよ。
口渇、手足のほてり、のぼせといった陰虚症状から来る不眠や寝つきの悪さ、動悸、息切れ、不安感などに使用されています。