漢方には熱にも種類があります「実熱」と「虚熱」

体質で「実熱」と「虚熱」の二種

前回は、病気の性質が寒性か熱性かで、使う薬も違ってくることを、舌診の角度からの漢方的な判断方法を紹介しました。

舌診を知っておくだけで原因不明の不調の原因が理解できる

過去記事

エネルギーが過剰な人

今回は、熱性がさらに「実熱」と「虚熱」の二つに分けられることについてです。
症状は日々、変化していきます。
エネルギーが過剰な人や急性炎症の初期、酒や辛味など体を温めるものを多くとる人は、体内に熱エネルギーが停滞し、体全体の熱っぽさ、精神のたかぶり、皮膚炎といった熱性の症状が出やすくなっています。
そのもとになる熱は、体力のある人によく見られるので実熱といいます。
周りに1人はいますよね。

虚弱体質の人

一方、虚弱体質の人や、急性もしくは慢性疾患で衰弱傾向の人は、栄養分、水分(体液)の消耗から体全体のバランスを崩し、のぼせ・ほてり・口の渇き・微熱といった症状が現れます。
これは体を冷やす作用のある水分が不足して、熱エネルギーを抑制することできないため、体温が上昇したことによるもので虚熱といいます。
更年期や自律神経失調症、放射線治療などの際の症状ですね。

舌診で診る

実熱では舌の色が濃い赤で、舌苔は黄色く見えます。
虚熱でも舌の色は赤くなりますが、水分が消耗するため舌苔はごく薄かったり、まったくなったり、時には鏡のようにツルツルに見えるんです。
ひどい場合には、舌に溝のようなヒビ割れが出てきます。
虚熱の治療には、抗生物質や漢方薬の解熱剤は効果がみられないことがほとんど。
このような場合は、不足した水分(体液)を補い、微熱を除去する作用のある瀉火補腎丸などがオススメ。

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