日本の歴史といえば織田信長、日本の病気と言えば糖尿病

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飲水病

食べ物が過剰な現代で、糖尿病は珍しい病気ではありません。
戦国時代、食べ物がそれほど豊富では無い時代にも、糖尿病はあったようです。
むかし、糖尿病のことを「飲水病」と呼んでいたようです。
喉が渇くために水を多く飲むので、そう言われていたようで、他にも「口渇病」「消渇(しょうかち)」とも言われていたようです。
どうも、日本の歴史で、もっとも有名な織田信長さんも、もこの「飲水病」、つまり糖尿病だったようです。
記録では安土城に入城してからは「手足の痛み、しびれが強かった」という記録が残っています。
現代での病状としては糖尿病神経障害を合併と考えられます。

織田信長さんは、お酒はほとんど飲まなかったようです。
ただ味の濃い料理を好んだとのこと。
あと激務で有名なんです。
糖尿病は、痛みや、しびれなどから、精神的に怒りっぽくなるとも言われていて、もしかして、あの激しい性格は、糖尿病からきていたのかもって、勝手に想像しています。

喉が渇く

糖尿病とは、血糖をインスリンなどでコントロールできなくなっていて、血液中のブドウ糖の濃度が高くなります。
ブドウ糖は体に必要な栄養分。
そのため通常は尿といっしょに排出しないで、血液中に戻します。
糖尿病の場合、血液中のブドウ糖が多くなり過ぎると、腎臓はブドウ糖を多量の水分と一緒に尿として排出します。
だから尿の量や回数が増えるんです。
つまり多尿ですね。
尿の量を増えるため、体の中の水分が多量に使われてしいます。
脱水状態ですね。
そのため、のどの渇き(口渇)が強く、多量に水分を欲しがることになります。

単純ではない糖尿病の治療

糖尿病の基本証型は気陰両虚です。
これは、以前に記事にしました「糖尿病は生活習慣病です、自分から病気になりにいく?」で詳しく解説していますので、気になる方はそちらを読んでください。

全ての糖尿病が気陰両虚だけではありません。
もちろん、このほかにもいろいろな証型があります。
そのため漢方での対処は単純にはいきません。
一般的に糖尿病によく用いている漢方薬があります。
口渇や口内炎、体の熱感などの熱症状が強い肺胃鬱熱型に使われる漢方薬。

このタイプでは、皮膚の化膿や感染症を起こしやすいのが症状としての特徴です。
胃に熱がある場合には、消化が異常に亢進しているため、食べてもすぐにお腹が空きます。
つまり、多食、食べ過ぎなんです。

これらの症状が続くと慢性化してしまいます。
慢性化すると、体液の消耗や脂肪・蛋白質などの代謝障害が進行していきます。
さらに、糖尿病なのに体重の減少(織田信長と同じ症状)。
これらの症状が出てくると漢方の証型を変えることになります。
皮膚が乾燥する、足腰がだるいといった肺腎陰虚証がでてきます。
このタイプには、肺と腎の陰液を補う薬を用います。

手足のほてり感やのぼせ感といった、虚熱症状が強い時には、別の漢方薬が必要となります。

糖尿病は合併症との戦い

糖尿病の場合、証型はほかにもあります。
どれもが共通して怖いのは血管障害や神経障害などの合併症。
手足の痛み、しびれ、感覚の異常、脳梗塞、心筋梗塞など、その多くは漢方でいう瘀血(血行不良)証に相当するため、それぞれの処方に活血化瘀(血行改善)薬を併用します。
また、眼底出血のおそれがある時は、止血作用のある漢方薬を追加します。
漢方療法は、このような合併症を予防するのが得意です。
しかし糖尿病は複雑な病気なので、食事療法はもとより、西洋医学的な診断治療も必要です。
そして、必ず、専門家の助言を聞き入れる。
これが、できないのが糖尿病なのかも。

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