体をコントロールできない20歳
もうすぐ成人式。
着物姿を見かける季節。
古代中国では、20歳のことを「弱」といい、戴冠式をして成人であることを認めていました。
弱冠という言葉は、ここから生まれたんです。
20歳の陰陽を調整「瀉火補腎丸」
20歳といえば身体は成長のピーク。
ホルモンの分泌もメッチャ活発で元気。
当然ながら機能(陽)は亢進ぎみで、神経も高ぶりやすく、寝つきが悪い、身体が熱っぽい、ニキビが出るといった状態になります。
機能が活発な状態を、漢方では“陽盛”といいます。
20歳はまさに機能(陽)の盛りなんです。
ただし、成長段階におけるこの時期は、余裕のある陽に比べて、陰は不足ぎみになります。
そのため、ストレスや飲酒、辛いものの摂りすぎなどの刺激によって、機能は過剰に亢進してしまいます。
さらに、若さにまかせて夜更かしを続けたり、房事(セックス) 過多になったりすると、陰(体液)を消耗し、陰陽のバランスは大きく崩れてしまうことに。
そのため、のぼせ・イライラ・口渇・不眠・夢精・性欲亢進といった興奮症状が出てしまうんです。
イライラ、興奮状態に気づかない20歳
漢方には、対処方がしっかりとあります。
ホルモンの分泌と関係の深い臓器で、全身の陰陽バランスを調整している腎を中心に治療を行うのが原則で、漢方では瀉火補腎丸がよく用いられます。
腎の陰を補う六味地黄丸に、熱や興奮を鎮める知母ちもや黄柏を加えた処方となります。
消耗した陰(体液)を補う一方で、過剰な亢進を抑制(瀉火)して、のぼせやほてりなどの症状をすっきり取り去ってくれるんです。