「衛気」を助け体表を温める桂枝湯
カゼやインフルエンザを漢方の立場から説明していきます。
まず漢方の基本的な考え方の一つに、「気」の存在があります。
目に見えない体内を流れる生命エネルギーのことです。
生命エネルギーである気が滞ると病気になると漢方では考えられています。
バリア機能が人には存在している
体の表面を巡っている気は「衛気」と呼ばれ、体を守る最前線にあって保温や汗腺のコントロール、病邪の侵入を防ぐ働きをしています。
バリア機能ですね。
急激に体を冷やすと、体表の毛細血管を収縮させて血行不良を招くとと もに、衛気の流れを悪くし、外邪から体を守る防衛能力を著しく低下させます。
衛気の滞りは、体の表面の冷え、寒気といった症状以外にも、くしゃみ、カゼ、下痢、倦怠感、生理不順、関節痛などさまざまな体の不調となって現れることに。
今こそバリア機能の強化を
この衛気の滞りからくる諸症状に対して、中国漢方はさまざまな治療法、対処方が存在します。
衛気を助け、体表を温めつつ発汗によって冷気を体外に押し出す作用をもった薬といえば、桂枝湯があります。
冷えに加えて、下痢や食欲不振を伴う時には桂枝湯+健胃顆粒、関節痛やリウマチの人には桂枝湯+活絡丹、冷えからくる生理困難、生理痛などに悩む女性には桂枝湯+婦宝当帰膠といった具合に、一人一人の症状に合わせて薬を選ぶのが漢方。
セミオーダーなんです。