コーヒーは1日1杯まで
まずは、結果から。
妊娠初期のカフェイン摂取は妊娠初期の流産リスクを高めるという報告があります。
コーヒー1杯には約80mgのカフェインが含まれています。
妊娠初期は1日1杯まで。
妊娠までより妊娠後の方が重要なんです。
悩まないためにも飲まない方が、精神的にも肉体的にも良いはず。
子どもには、体に良いモノを食べさせたいって思っていますよね。
お腹の中のお子さんは、お母さんが食べた食事で成長します。
そう、お子さんに食べさせたい食事は、お母さんが食べるコトで与えることができます。
食べさせたくないモノは、食べなければ大丈夫。
妊娠初期にコーヒーが及ぼす影響
前回はコーヒーの飲みすぎは妊娠までの期間を延長する(少し妊娠しにくくなる)という結果でしたが、実際には、妊娠してからの方がカフェインの影響は妊大きいと言われています。
本日は、妊娠初期にコーヒーが与える影響を調査した研究をご紹介いたします。
カフェイン摂取と妊娠初期における自然流産のリスク
CAFFEINE INTAKE AND THE RISK OF FIRST-TRIMESTER SPONTANEOUS ABORTION
これはスウェーデンのCnatttingius氏らが2005年にNew England Journal of Medicineに発表した論文です。
この論文ではスウェーデンで6~12週の間に流産を経験した562人の女性と、出産まで至った953人の女性にアンケート調査を行って、カフェインの摂取量との関係を調査しています。
カフェインの摂取量はコーヒー、紅茶、コーラ、ココア、チョコレートなどの摂取量から求めていますが、76%がコーヒーで23%が紅茶、その他はわずか1%でした。
結果を見てみましょう。
上の表は1日のカフェイン摂取量と自然流産の関係を調べたものです。
カフェイン摂取が1日100mg以下の方を基準としてオッズ比(起こりやすさの比)を求める事で評価しています。
喫煙者においてはなぜかあまり差を認めていませんが、非喫煙者においては、カフェイン摂取量が増える程に流産のリスクが高まっている事が分かります。
500mg以上のカフェイン摂取では、流産率が2.2倍(主にコーヒーで摂取している場合は4.1倍)と増えており、明らかにリスクが高まることが分かります。
続いて上のグラフは、つわりとカフェイン摂取量をみたグラフになります。
妊娠4週頃からつわりが出現し、7,8週頃にピークになるのが分かりますが、興味深いことに流産しなかった群の方がつわりがひどく、それに伴ってカフェイン摂取量が急激に下がっています。
一方で流産された方の群ではつわりはそれ程ひどくなく、カフェイン摂取量もそれ程落ちていないという結果でした。
最後に、流産された方の胎児絨毛染色体を調べて、流産が胎児側の原因だったのか母体側の原因だったのか調べています。
上の表を見ると、胎児染色体の異常率、正常率はカフェインの量と相関していない事が分かります。
つまり、流産が増えたのは胎児側の問題ではなく、母体側にカフェインが及ぼした影響によるものだろうと推察されています。
ということで結論としては、
・妊娠初期のカフェイン摂取は妊娠初期の流産リスクを高める。
という事でした。
ちなみにコーヒー1杯には約80mgのカフェインが含まれています。
コーヒー好きな方には酷ですが、妊娠初期は1日1杯までにされることをお勧めします。