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瀉火補腎丸で体潤し余分な湿と熱を除く
猛暑、暑さによる発汗のため、体は水分不足の状態になります。
中国漢方では、津液(有用な水分)が不足して体に潤いのない状態を陰虚といいます。
陰虚状態では、口の渇きに加えて、のぼせ、ほてりなどの虚熱状態を訴えることが多くなります。
このような状態になるとノドの渇きにまかせて水分を摂り過ぎて、うまく吸収できなかった場合には余分な水分(水湿)が体内にたまって、尿の出が悪い、倦怠感、むくみなどの症状が現れるんです。
この場合、一方では潤いが不足し、他方では不要な水湿が停滞しているといった矛盾が、体内に生じてしまいます。
夏のスイカ
中国では、日本と同じように夏はスイカをよく食べるそうです。
師匠(路京華)が言っていました😀
スイカは津液を補い体を潤すと同時に、利尿作用によって水湿を取り除き、熱を冷ます、相反する状態を同時に調整してくれます。
これぞ医食同源。
まさに夏ならではの食べ物なんです。
同じように、体を潤しながら、余分な水湿や熱を取り除く処方薬に瀉火補腎丸があります。
体液などの消耗を地黄・山茱萸などの生薬で補いながら、体液不足から発生した虚熱を牡丹皮、知母・黄柏で鎮めます。
そして水湿を茯苓・沢瀉などで取り除く。
スイカと似ています。
もちろん、スイカより、作用がしっかりとしているのが漢方。
糖尿病や高血圧も水分調整が大事
体液不足による虚熱症状と余分な水分の停滞が同時に現れるのは、このほかにも、糖尿病、高血圧、慢性腎炎などでも多くみられます。
いずれも瀉火補腎丸や猪苓湯などの処方が使われやすいです。