咳を改善することで便秘解消:漢方の基本「五行」を理解しよう

五行は中医学(中国漢方)の哲学

五行は自然界の森羅万象を「木」「火」「土」「金」「水」の自然界の代表的な5つに分類した哲学のことです。
五行は全ての考え方や物事の基本となっています。
この五行の考え方を中医学(中国漢方)に当てはめることによって、カラダを大きく5つに分類したんです。
それが「五臓」という考え方。
「五臓六腑に染みわたる」というのも、この五臓もここからきているんです。
五臓にそれぞれ「肝」「心」「脾」「肺」「腎」となっていて、中医学で体の仕組みを知るための思考方法となっています。

五行で体調をしることで次のようなカラダの体質が判断できるようになります。

1)どのようなトラブルを繰り返しやすいのか
2)どの部分に症状が出やすいのか
3)どのような影響に弱いのか
4)どのような食べものが合っているのか

肺と大腸のつながりを利用て便秘を解消

中医学(中国漢方)では、五行を基本とした体の各部を互いに有機的なつながっているとして体の状態を判断します。
そのため治療は局部だけでなく、必ず体全体のバランスを俯瞰して判断します。

代表的な表現として、漢方の古典に、このように書かれています。

「肺と大腸は表裏の関係にある」

肺には気を下に送る(粛降)作用があるのですが、この古典に書かれている意味として、肺の粛降作用が大腸の蠕動運動を助けている、ということになります。
肺の作用が大腸の働き影響しているため便通を促進しているとされています。
つまり、肺を都と得るコトで、便秘の解消になることがあるんです。

この働きの逆、つまり腸の働きを整え、便通を改善することで、腸と表裏の関係にある肺の粛降作用を促し、咳などの症状を和らげる可能もあるんです。

症例として、カゼで発熱していて、悪寒や咳がある症状に、解熱剤を用いても熱がなかなか下がらないことがあります。
このような時は便秘を伴うことが多いんです。
つまり、腸を調整することで、対応していきます。
瀉下薬である大黄が配合された処方を用いるようにします。
そうすると熱は下がり、咳もおさまりやすくなるんです。

咳の原因にも、いろいろあります。
ゼンソクを漢方で対応する場合、気管支拡張作用のある薬だけでは、思った効果が出ないことがまれにあります。
このような症状にも、便通の悪いことが多く、症状を判断しながら通便薬を併用することで、うまくいくこともあります。

「釜底抽薪」「上病下取」

このような中医学での対処方法は、燃え盛っている薪を釜の底から取り除くことで、鍋のなかの沸騰状態を鎮めるやり方から、「釜底抽薪」法ともいわれています。
また、体の上部にある病気を、体の下部より治療することから、「上病下取」といわれることがあります。

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