糖質といえばダイエット
ダイエットでは、糖質をとても重要視しています。
なぜなら、脂肪に繋がるからですよね。
特に急激に血糖値を上げる食材や食べ物。
実は、糖質といっても、食材などの関係で血糖値の上がり方に違いがあるんです。
急激に上がる場合、不妊治療だけでなく健康にも影響があると言われています。
もっとも注意して欲しいのが炭酸飲料などのジュース。
これは、スポーツドリンクも含まれます。
もちろん、缶コーヒーやペットボトルの紅茶なども同じです。
無糖やカロリーゼロも、妊活の食事指導では注意が必要と言われています。
急激に血糖値が上がる食事と採卵時の卵子の採卵数に影響がある
まずは、グリセミック指数について。
簡単に、血糖値の上がるスピードの速さのコト。
数字が高いほど、スピードが速い。
正確にグリセミック指数 (glycemic index) とは、食品ごとの血糖値の上昇度合いを間接的に表現する数値のこと。
グリセミック・インデックスまたはGI値とも表現されています。
後に、炭水化物の量も考慮したグリセミック負荷が考案されています。
血糖値の上昇しやすい食事は卵巣予備能が正常でも採卵数が少なくなる可能性があることがイタリアの研究で明らかに
つまり、太りやすい食事は、採卵数への影響があるらしいということです。
妊活の食事指導で、よく言われているのに小麦粉があります。
他にもジュース類や果物などなど。
少しでも妊娠の成功率を良くしたいのであれば、妊活のための食事が重要になります。
実は、健康のための食事と似ていますが、少しずつ違ってもいるんです。
多くの方が勘違いしている部分です。
本題の研究報告
イタリアのミラノ大学の研究者らは、食事内容が卵巣予備能の正常な女性への卵巣刺激に対する卵巣の低反応(採卵数が3個以下)に関連するのかを確かめるために研究を実施しました。
研究は大学病院でART治療を受けるBMI(BMI:18-25)や卵巣予備能(AFC:10-22、AMH:2-5ng/ml)が正常な女性患者303名(18-39歳)を対象に実施されました。
卵巣刺激は150-225IU/日の排卵誘発剤を用いて行われ、採卵日に食物摂取頻度調査票を用いて食事調査を実施し、グリセミック負荷やグリセミック指数、炭水化物、食物繊維、全粒穀物、動物性・植物性タンパク質の摂取量を調べ、卵巣低反応(採卵数3個以下)とどのように関連するかを解析しました。
その結果、採卵数が3個以下の卵巣低反応だったのは303名中48名(16%)で、グリセミック負荷が高い食事、炭水化物の多い食事をしていた女性ほど、卵巣低反応が多いことがわかりました。
グリセミック負荷で3つのグループに分けたところ、最大グループは最小グループに比べて卵巣低反応のリスクが約4倍高く、同様に炭水化物では5倍弱、食物繊維では6倍、それぞれ高いことがわかりました。
その一方、グリセミック指数や全粒穀物、タンパク質の摂取量とは関連しませんでした。
このことから血糖値の上昇しやすい食事は卵巣予備能が正常な女性の卵巣の反応性にマイナスの影響を及ぼすことが示唆されました。
ただし、食生活の改善が卵巣の反応性の改善に寄与するかどうか今後の介入研究で検証する必要があります。
注釈
食事をすると血糖値が上がりますが、血糖値の上がり方は食事内容に大きく左右されます。
グリセミック指数(GI)とは食品ごとの血糖値の上昇度合いの指標で、数値が大きいほど血糖値が上がりやすいことをあらわします。
一方、グリセミック負荷は、グリセミック指数(GL)に炭水化物の重量をかけた数値で、同じように血糖値の上がりやすさの指標ですが、グリセミック指数が同じでも食べる量が多いと血糖値の上昇度が高くなることから、グリセミック負荷のほうがより現実的に反映されると言えます。
もそも、グリセミック負荷の高い食事をする人は2型糖尿病の発症リスクが高いことが知られていたり、生殖機能との関連でも血糖値が上がりやすい食事は排卵障害の発症リスクの上昇と関連するという報告がなされています。
そこで、Noliらは、グリセミック負荷やグリセミック指数、炭水化物の摂取量等が卵巣機能の低下に関連するのではないかとの仮説を確かめるために、食事や生活習慣とART成績との関連を検討した前向きコホート研究のデータを用いた横断研究が実施されました。
結果は、
グリセミック負荷が高いほど、炭水化物や食物繊維の摂取量が多いほど、採卵数が3個以下になるリスクが高かったというものでした。
グリセミック負荷や炭水化物の量は食後血糖値を上昇させやすいことから、そんな食事は卵胞発育にマイナスの影響を及ぼすことが示唆されたことになります。
ただし、食物繊維は意外な結果だったようで、そのメカニズムは不明だとしています。
参照
『血糖値の上昇しやすい食事と卵巣低反応(少ない採卵数)の関係』
⇒ Reprod Biomed Online 2020; 41: 874