「五月病」の原因 「陰陽」「気」の乱れ
毎年恒例となりつつある5月の病。
燃えつき症候群
空き巣症候群
スーパーウーマン症候群などなど。
症候群が一気に増える5月。
コロナウイルスが広がる状況で、実際にどうなるのでしょう?
私が幼い頃は聞いたことのない不思議な病名です。
なんとなく、毎年、病名が増えているような気もします。
最初、五月病や六月病を聞いたときは戸惑いました。
今では、分かってきました。
環境の変化に適応しきれない人の、心身の疲労と軽いうつ状態のことだと感じています。
五月病は大学生に多く、新人OLやビジネスマンは発症時期が少し遅れて六月病になっています。
いずれも心身症領域の疾患として扱われているようです。
中国漢方の立場からみた場合、ポイントは二つ。
一つは、陰陽のバランスの崩れ。
中国漢方では、人の健康状態を陰陽のバランスで考えます。
五月病や六月病は、明らかに交感神経(陽)と副交感神経(陰)がバランスを欠いた状態なんです。
機能(気、陽)と物質(血、陰)両面の失調状態を改善することで、人間の体に本来備わっている心身のバランス調整能力を取り戻せます。
気血を補い、ストレスによって消耗した体力を高めてくれる漢方に「十全大補丸」という処方があります。
二つ目のポイントは「肝鬱気滞」。
中医学では、肝を精神作用との関連が強い臓器として重視しています。
イライラする、気分がふさぐ、胸やわき腹が張って苦しいなどのストレスからくる全身症状を、中医学では「肝鬱気滞」といい、気が滞っている状態のことをさします。
肝機能を高め、気のめぐりをよくする漢方薬は種類が豊富。
「逍遙丸」や「開気丸」「瀉火利湿顆粒」などを症状によって使い分けます。
コロナウイルスの影響
今年の5月、6月は例年と違い、制限が多い年になりました。
ストレスが溜まりやすいんです。
そして、環境の激変。
できるだけ、早めに漢方を試してみてください。
ナニもしない、ナニもできない、のではなく、ナニも選ばないといだけではないでしょうか。