~なぜ高血圧・透析患者が増え続けているのかを徹底解説~

はじめに
「塩分を控えましょう」「減塩生活が健康の第一歩」
こんな言葉、何度も聞いたことがありますよね?
実際、日本では過去20年で家庭における塩の消費量は約40%も減少しています。
しかし――
- 高血圧症の患者数は年々増加
- 透析治療を受ける慢性腎臓病の患者も増加傾向
…これは、いったいどういうことなのでしょうか?
この記事では、「塩の消費量は減ったのに、なぜ腎臓病が減らないのか?」という疑問を、医学的・社会的・栄養的な側面から、詳しくわかりやすく解説します。
📉塩の消費量は確かに減っている
まず事実として、厚生労働省の調査では、家庭における塩の購入量は以下のように減少しています。
| 年度 | 一世帯あたりの塩の購入量 |
|---|---|
| 2001年 | 約3.03kg/年 |
| 2018年 | 約1.77kg/年(約40%減) |
これは、減塩ブームの広がりや、家庭料理の塩分カットの努力の成果です。
👩⚕️それでも増えている高血圧と腎臓病の患者数
しかし同時に、以下のような変化も起きています。
高血圧患者の増加(治療中の人)
| 年 | 推定患者数 |
|---|---|
| 2017年 | 約994万人 |
| 2023年 | 約1,609万人(約1.6倍) |
透析患者の増加(慢性腎不全など)
| 年 | 維持透析患者数 |
|---|---|
| 1995年 | 約15万人 |
| 2021年 | 約35万人(2倍以上) |
※2022年にはやや減少しましたが、依然として高水準です。
❓なぜ?塩を減らしても腎臓病は減らない理由
ここで重要なのは、「塩だけが原因じゃない」ということです。
以下に、塩以外の重要な要因をわかりやすく紹介します。
🏃♂️1. 加工食品・外食に潜む“隠れ塩分”
家庭料理の塩分は減っても、コンビニ弁当、カップ麺、ファストフードなどの塩分は高いまま。
しかも、現代人の食生活は“自炊離れ”が進んでおり、「外食や中食」が主流。
つまり:
🍔「見かけ上の塩分は減っても、実際は変わらず(もしくは増えて)摂取している」
👵2. 高齢化という避けられない現実
日本は世界一の超高齢社会です。
年を重ねると、自然と腎臓機能が衰え、血管も硬くなり、高血圧や腎疾患のリスクが高まります。
つまり:
👴「高齢者が増えれば、病気も増える」
これは医療の進歩で長寿が実現した“副作用”とも言えます。
🍩3. 糖質・果糖・異性化糖の過剰摂取
実は「砂糖(ショ糖)」の消費量は減っていますが、その代わりに**異性化糖(果糖ブドウ糖液糖)**の消費が増えています。
異性化糖とは?
- 液体の甘味料で、ジュース・お酒・パン・お菓子に多用
- 果糖を多く含み、血糖値よりも中性脂肪や脂肪肝、インスリン抵抗性を悪化させやすい
特に問題なのは、
🧃「清涼飲料水に大量に含まれ、液体として摂取することで急速に吸収される」
このため、糖尿病・脂肪肝・腎臓病の原因になることが多くの研究で分かってきました。
⚖️4. 肥満・運動不足・ストレス
塩だけでなく、「カロリー過多+運動不足+メンタル不調」も腎臓病のリスク因子。
- 内臓脂肪は血圧を上げやすい
- 睡眠不足やストレスもホルモン異常→高血圧・糖尿病へ
- 腎臓は代謝の“下水処理場”→酷使されやすい
🧪5. 医療の進歩で「発見される人」が増えた
昔は「腎臓が悪くても気づかず放置」という人が多かったのが、
今は健康診断で腎機能の低下が早期発見されるようになりました。
つまり:
👨⚕️「患者数は“本当に増えた”というより、“見つかるようになった”」
🚑6. 透析治療を選ばざるを得ない人が増えている
- 高齢化で腎移植などの選択が難しくなり、透析しか手段がないという人が増加
- 医療制度や病院の体制により、保存療法より透析が勧められるケースもある
🌿中医学から見た“腎臓病が増える理由”
東洋医学(中医学)では、腎臓の不調を「腎虚(じんきょ)」と呼び、
これは生命力の低下・冷え・過労・老化と深く関係しています。
また、「脾虚(ひきょ)=消化力の低下」や「湿邪=水分代謝の滞り」も腎機能悪化の元。
中医学の考えでもやはり、
⚠️「塩分だけではなく、体全体のバランスや生活の乱れが原因」
ということがわかります。
✅ 最後に:本当に大切なのは、“総合的な生活習慣の見直し”
「減塩だけしていれば健康になれる」とは限りません。
🧩ポイントまとめ:
| 見直すべきポイント | 内容 |
|---|---|
| ✅ 塩分 | 外食・加工品の見直しが大切 |
| ✅ 糖質・異性化糖 | ジュース・お菓子を減らし、果物は適量 |
| ✅ 運動習慣 | ウォーキングや筋トレを日常に |
| ✅ 睡眠・ストレス | リラックス・休養も腎臓の保護に重要 |
| ✅ 検診 | 健康診断で早めの対応を |
🍵おすすめの一言アドバイス
「“塩だけ悪者にしないで”。
あなたの腎臓は、あなたの“生活そのもの”と向き合っています。」