3度も流産してしまうなんて、甲状腺異常があると妊娠は難しいでしょうか?

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質問

はじめまして。
2回流産し、大学病院で検査したところ橋本病と言われました。
この度また妊娠できましたが4週で流産しました。
3度も流産してしまうなんて、甲状腺異常があると妊娠は難しいでしょうか?

橋本病と流産の関係:妊娠率を上げるための対策

橋本病をお持ちの方が妊娠を望む場合、流産のリスクが高まることがあります。しかし、適切な治療を行うことで、健康な妊娠を継続し、出産を迎える可能性を大いに高めることができます。本記事では、橋本病と流産の関係、そして妊娠率を上げるための具体的な対策について、初心者にも分かりやすく解説していきます。

橋本病とは?

橋本病は、免疫系が自分の甲状腺を攻撃してしまう自己免疫疾患です。正式には「慢性甲状腺炎」と呼ばれるこの病気は、甲状腺機能が低下することで、体の代謝やエネルギーレベルに影響を与えます。甲状腺ホルモンは、体内の多くの重要なプロセスを調節しており、特に妊娠中には非常に重要な役割を果たします。

橋本病と流産の関係

甲状腺ホルモンのバランスが崩れている場合、特に甲状腺機能低下症(甲状腺ホルモンの不足)があると、妊娠を維持することが難しくなることがあります。これは、流産のリスクを高める可能性があるため、橋本病を持つ方にとって大きな懸念材料となることが多いです。

実際に、橋本病を持つ女性は、甲状腺ホルモンの管理が不十分な場合、自然流産のリスクが増加することがわかっています。また、甲状腺機能低下は胎児の発育にも影響を与えるため、適切な管理が必要です。

妊娠率を上げるための橋本病治療の基本

1. 甲状腺ホルモンの治療

橋本病と診断された場合、甲状腺ホルモンの補充療法が妊娠率を上げるための基本となります。最も一般的な治療法は、レボチロキシンと呼ばれる甲状腺ホルモンの薬を服用することです。これにより、甲状腺ホルモンの不足を補い、正常なホルモンバランスを維持することができます。

2. 定期的な甲状腺機能の検査

妊娠中や妊娠を計画している場合、定期的に甲状腺機能をチェックすることが重要です。特に、妊娠中は甲状腺ホルモンの需要が増えるため、ホルモンレベルが適正範囲にあるかどうかを確認する必要があります。担当医と連携して、適切なタイミングで検査を受けることが妊娠率を上げるための鍵となります。

3. 自己免疫の管理

橋本病は自己免疫疾患であるため、免疫系の働きも妊娠に影響を与えることがあります。炎症やストレスが免疫系を過剰に活性化させることを防ぐために、適切なライフスタイル管理も重要です。食生活やストレス管理を見直し、体全体の健康をサポートすることが、妊娠率を高めるための一助となります。

生活習慣の見直しで妊娠率を上げる

1. 栄養バランスを整える

甲状腺ホルモンの生成には、特定の栄養素が必要です。特に、ヨウ素セレン亜鉛などのミネラルは甲状腺の正常な機能をサポートします。食事にこれらの栄養素を積極的に取り入れることは、甲状腺ホルモンのバランスを保つために重要です。

  • ヨウ素が豊富な食品:海藻類(昆布、わかめなど)
  • セレンが豊富な食品:ナッツ類(特にブラジルナッツ)、魚介類
  • 亜鉛が豊富な食品:牡蠣、肉類、豆類

ただし、ヨウ素の過剰摂取は逆効果になる可能性があるため、医師と相談のうえで適切な摂取量を守るようにしましょう。

2. ストレスを減らす

ストレスは、甲状腺に悪影響を与えるだけでなく、妊娠率にも直接的な影響を及ぼすことが知られています。ストレスが過度にかかると、体内での炎症が増加し、ホルモンバランスが崩れる可能性があります。

ストレスを軽減するためには、リラックスできる時間を作ることや、運動、ヨガ、瞑想などのリラクゼーション法を取り入れることが効果的です。また、カウンセリングやサポートグループに参加することも、感情的なサポートを得るための一つの方法です。

3. 運動を適度に行う

適度な運動は、甲状腺機能をサポートするだけでなく、全身の血流を良くし、妊娠を助ける要因となります。特に、有酸素運動や筋力トレーニングを取り入れることで、基礎代謝が向上し、ホルモンバランスの安定にもつながります。

ただし、過度な運動は逆に甲状腺にストレスを与えることがあるため、バランスの取れた運動量を保つことが大切です。運動の種類や頻度については、専門家の指導を受けると安心です。

妊娠に向けた橋本病の管理計画

橋本病の管理において、妊娠率を高めるためには長期的な視点が必要です。以下のステップに従って、計画的に甲状腺の管理を行いましょう。

1. 妊娠前の準備

妊娠を計画する段階では、まずは甲状腺ホルモンの状態を把握し、ホルモンバランスが整っているかどうかを確認します。妊娠前に甲状腺ホルモンの値を安定させておくことが、妊娠をスムーズに進めるための第一歩です。

2. 妊娠中の管理

妊娠後も、定期的に甲状腺ホルモンの検査を行い、ホルモンバランスを維持することが重要です。特に妊娠初期には、甲状腺ホルモンが胎児の発育に直接影響を与えるため、定期的な医師の診察を受けるようにしましょう。

3. 妊娠後期と産後のフォローアップ

妊娠後期には、甲状腺ホルモンの需要がさらに高まるため、ホルモンの状態を引き続き監視することが大切です。また、産後も甲状腺の機能が変動することがあるため、産後ケアの一環として甲状腺ホルモンの管理を怠らないようにしましょう。

妊娠率を上げるために役立つサプリメント

1. DHAとEPA

DHAとEPAは、オメガ3脂肪酸の一種で、甲状腺機能をサポートする効果が期待されています。また、これらの脂肪酸は、炎症を抑える作用もあり、妊娠を望む方にとって重要なサプリメントです。

2. マカ

マカは、ホルモンバランスを整える効果があると言われている天然のサプリメントです。特に、橋本病を持つ方のホルモンバランスをサポートするために広く使用

されています。

3. セレニウム

セレニウムは、甲状腺ホルモンの合成に重要な役割を果たすミネラルで、甲状腺機能を正常に保つために不可欠です。セレニウムを含むサプリメントを適量摂取することで、甲状腺の健康をサポートします。

橋本病を持つ方の妊娠率向上のための具体的アクション

  1. 医師の診断を受ける
     まず、橋本病と診断された場合は、専門の医師による診察を受け、適切な治療計画を立てましょう。甲状腺ホルモンの治療が妊娠率向上に直結するため、医師との定期的なコミュニケーションが重要です。
  2. 甲状腺ホルモンのバランスを維持する
     甲状腺ホルモンのバランスが整っているかどうかは、定期的な検査で確認します。特に妊娠中はホルモンバランスが変動しやすいため、継続的な管理が必要です。
  3. 健康的なライフスタイルを維持する
     栄養バランスの取れた食事、適度な運動、ストレス管理は、橋本病を持つ方にとって非常に重要です。これらの要素をバランスよく取り入れることで、妊娠率を高めることが可能です。

橋本病と妊娠率の関係について詳しく見てきましたが、甲状腺ホルモンのバランスを適切に管理することで、流産のリスクを低減し、健康な妊娠を維持することが可能です。妊娠を望む方は、医師の指導のもとで甲状腺ホルモンの管理を徹底し、生活習慣の改善に努めることが大切です。

中医学(伝統中国医学)は、体全体のバランスを重視し、身体の自然な治癒力を高めることで健康を維持・改善することを目指す医療体系です。橋本病や不妊治療においても、中医学の考え方を取り入れることで体質を整え、妊娠率を高めることが期待されます。ここでは、中医学に基づく橋本病や不妊治療の対策について詳しく解説します。

中医学における橋本病の理解

中医学では、橋本病のような自己免疫疾患を「陰陽の不調和」や「五臓の失調」として捉えます。特に、腎(じん)肝(かん)脾(ひ)が橋本病や甲状腺の機能に深く関係すると考えられています。

  • 腎(じん):腎は、生命エネルギーの源とされ、生殖能力や成長、発育、老化に関わるとされています。腎の「精(せい)」が不足すると、ホルモンバランスが崩れ、不妊や流産の原因となることがあります。
  • 肝(かん):肝は、気血の流れを調節し、情緒の安定やホルモンバランスに影響します。肝の気が滞ると、ストレスや感情の不安定さが甲状腺に悪影響を及ぼし、病気の進行を助長することがあります。
  • 脾(ひ):脾は、消化吸収を担当し、気血を生成する働きがあります。脾が弱ると、気血が不足し、甲状腺機能や妊娠に影響を与える可能性があります。

中医学における橋本病の主な原因

中医学では、橋本病の原因を以下のように考えます。

  1. 腎虚(じんきょ):腎の機能が低下している状態で、甲状腺機能低下症の症状(倦怠感、冷え、むくみなど)を引き起こすことがあります。
  2. 肝鬱(かんうつ):ストレスや感情の変動により、肝の機能が滞ることで甲状腺の不調が現れることがあります。
  3. 脾虚(ひきょ):脾の機能低下が消化吸収の不調を引き起こし、気血が不足して甲状腺に影響を与えることがあります。

中医学による橋本病・不妊治療の対策

1. 腎を補う「補腎(ほじん)」療法

腎のエネルギーを補うことで、ホルモンバランスを整え、妊娠力を高めることができます。中医学では、腎の「陰」と「陽」を補うことが重要です。

  • 腎陰虚(じんいんきょ):身体が乾燥しやすく、熱感があり、寝汗をかくなどの症状がある場合。腎陰を補うために、地黄(じおう)亀板(きばん)などの生薬を使用します。
  • 腎陽虚(じんようきょ):冷え性や疲れやすい、むくみやすいといった症状がある場合。腎陽を補うために、附子(ぶし)肉桂(にっけい)などの生薬を使います。

2. 肝の気を巡らせる「疏肝理気(そかんりき)」療法

ストレスや感情の不安定さが甲状腺機能に影響を与える場合は、肝の気の流れを良くすることが必要です。中医学では、肝の気がスムーズに巡ることで、ホルモンバランスが整い、妊娠力が向上すると考えます。

  • 柴胡(さいこ)当帰(とうき)は、肝の気を巡らせる代表的な生薬です。これらを使うことで、感情の安定や気の滞りを解消し、甲状腺に良い影響を与えます。

3. 脾を強化する「健脾(けんぴ)」療法

脾を強化することで、気血の生成を促し、全身のエネルギーを高めます。脾が強くなると、甲状腺ホルモンのバランスが整いやすくなり、体全体の免疫機能も向上します。

  • 白朮(びゃくじゅつ)人参(にんじん)は、脾を補い、消化吸収を助ける効果があります。これにより、気血が充実し、甲状腺機能が改善される可能性があります。

中医学による妊娠率向上のための具体的な方法

1. 漢方薬の使用

中医学では、個々の体質や症状に合わせた漢方薬を処方し、体内のバランスを整えます。不妊や甲状腺の問題に対しては、体全体のエネルギー(気)を補い、血の巡りを良くするために、以下のような処方が行われます。

  • 八味地黄丸(はちみじおうがん):腎の陽気を補い、冷えや疲労感を改善する効果があります。特に腎虚が原因の甲状腺機能低下に対して効果的です。
  • 逍遙散(しょうようさん):肝の気を巡らせ、ストレスを軽減し、感情の安定を促す漢方薬です。精神的なストレスが原因で甲状腺に影響を与えている場合に使用されます。

2. 針灸治療

中医学の一環として、針灸も甲状腺機能や妊娠力を向上させる方法として知られています。針灸治療は、体内の「気」の流れを整え、特定の経絡やツボに刺激を与えることで、ホルモンバランスを調整します。

  • 甲状腺に関連するツボとしては、足三里(あしさんり)太渓(たいけい)などがよく使われます。
  • 不妊に対しては、関元(かんげん)中脘(ちゅうかん)などのツボが刺激されることが一般的です。

3. 食事療法

中医学では、食事も重要な治療の一部とされています。甲状腺や不妊に良いとされる食材を取り入れ、体内のバランスを整えることが推奨されています。

  • 腎を補う食材:黒ゴマ、黒豆、クルミ、山芋などは腎を補強し、体全体のエネルギーを高めます。
  • 気を巡らせる食材:みかん、レモン、ニンジン、緑茶などは、気の巡りを促進し、ストレスを軽減する効果があります。
  • 脾を強化する食材:かぼちゃ、さつまいも、もち米などは、脾の働きをサポートし、消化を助けます。

4. 生活習慣の見直し

中医学では、体と心のバランスを整えるために、生活習慣の見直しも重要とされています。以下の点に注意して、日常生活を改善することが推奨されます。

  • 冷えを避ける:甲状腺機能低下症の場合、冷え性が伴うことが多いため、体を冷やさないように注意します。特に、冷たい飲み物や食べ物を避け、温かい食事を心掛けることが重要です。
  • 規則正しい睡眠

十分な睡眠を取ることで、体内のバランスが整いやすくなります。夜更かしを避け、規則正しい生活リズムを維持することが推奨されます。

  • 適度な運動:運動は気血の巡りを促進し、ストレスを解消する効果があります。ウォーキングやヨガなどの軽い運動を習慣化することが効果的です。

まとめ

中医学は、体全体のバランスを整え、自然治癒力を高めることを目的としています。橋本病や不妊治療においても、中医学のアプローチを取り入れることで、妊娠率を高めることが期待されます。体質に合わせた漢方薬や針灸、食事療法、そして生活習慣の見直しを行うことで、体と心の両方を健康に保ち、妊娠に向けた準備を進めることができます。

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