睡眠と妊活の関係
妊活相談でのお問合せに睡眠についてのご質問がありました。
質問 睡眠と妊活について
基礎体温を毎日測定しています。
測定時間は、毎朝、決まっていますが、寝る時間が不規則になっています。
午前2時に寝て、朝6:30に基礎体温を測ると、高温期なのに低温期並みの数値になっていました。
睡眠時間が短いと、基礎体温がは下がると聞いたことがあります。
質問なのですが、睡眠時間が短い場合の体温低下は、
1) 睡眠時間のせいで体内でホルモンバランスが崩れて、良くない状況を導いている?
2) 体温低下は、純粋に睡眠不足だとそういう体温になるというだけで、ホルモンバランスは特に変わっておらず、1日くらいの睡眠不足なら気にしなくて良い?
のどちらでしょうか。
回答 妊娠と深い関係がある睡眠
人によって必要な睡眠時間は異なります。
前日の疲労度によって必要な睡眠時間が変わることもあります。
適切な睡眠時間とは睡眠時の代謝が良い状態です。
当店では自己管理シートを使って体重管理してもらいます。
じつは体重の変化が睡眠時に大きいと代謝が良いという見方があります。
睡眠はホルモンに影響しますがその前に代謝に影響しているということです。
その結果ホルモンバランスが崩れるんですね。
1) 睡眠時間が短いために代謝が低下に伴いホルモン産生能力が低下する事で体温に影響します。
2) 睡眠不足→代謝低下→ホルモン産生能力低下→睡眠をしっかりとる→ホルモン産生能力向上→体温上昇
なので気にしなくても大丈夫です。
睡眠と妊娠の関係
妊娠するために大切なコトとして、ホルモンバランスがあります。
ホルモンバランスをコントロールしているのが脳。
睡眠が、妊活にどのような影響があるのか、知っておくことで、妊娠率を上げることができるかもしれません。
不妊治療中は睡眠時間が短いかも
睡眠と妊娠には、とても重要な関係があるのがわかってきました。
総務省が平成28年に日本で調べたデータでは日本人の平均的な睡眠時間は7時間40分。
これらの調査からわかったことがあります。
睡眠障害は男性より女性に多いということです。
原因として、生殖ホルモンの変動がその原因のひとつではないか、と考えられています。
睡眠が健康にとってとても大事なことは、常識になっています。
昔は「24時間、働けますか」と言っていたんですけどね。
睡眠に問題があると、心臓病、肥満、糖尿病そして、死亡率を増やす等の報告されています。
どのくらいの睡眠が良いのかというと睡眠時間が7~8時間の場合、最もリスクが低くなるとされています。
不妊治療の場合はどうなんでしょう。
睡眠障害を持つ女性は中等度の妊孕性(にんようせい)つまり「妊娠するための力」が低下するといわれています。
特に睡眠時間については睡眠時間が短くなると、軽度ではありますが、妊孕性が低下する傾向もわかってきました。
ここで気になるのが不規則な仕事。
特に夜勤などがある場合です。
シフト制勤務や夜勤については、今回の報告では妊孕性への影響は無いとのこと。
しかし、一般的に考えて、夜勤が妊活に影響がないかというと、全く無いとは言い切れないのも事実です。
単に良い睡眠をとると言っても、簡単ではありません。
忙しい生活の中で、睡眠時間を毎日確保するのは難しいかもしれません。
それでも健康な睡眠が妊娠の成立に良いことは、事実なんです。
妊娠率を上げるための睡眠とは
「気」のめぐりが悪いと、自然と心身ともにリラックスできなかったり、なかなか寝つけなかったり、眠りも浅くなることが多くなります。
漢方では心を安定させる「血」が不足していると、寝つきや睡眠の質に問題が起こると考えられています。
皆さんも経験あると思いますが、寝不足だと疲れが残り、その日は、ますますイライラしてしまい悪循環に。
「あれも、これもしなければ」という「やらなければ」は少しお休み。
チョットだけ忘れて早めに寝てみませんか。
もしかしたら、やらなくても問題にならないかもしれません。
なかなか、難しいことですので、まずは、お風呂にゆったりつかってみるのはどうでしょう。
そして、かるくストレッチをしてから眠る。
それだけでも違うはずです。
より良い睡眠のための漢方
睡眠の質が良くない人の場合、多くは陰虚タイプです。
陰虚タイプとは、全身の潤いが不足していることが特徴の体質のこと。
いろいろな理由で潤いが不足してしまい、乾燥したり、身体が熱っぽくなる状態のことです。
陰虚による不眠のための漢方薬
笑ったり、喜んだり、悲しんだり、感情の起伏は誰もが感じていること。
漢方では気の流れを乱といいます。
特に喜怒哀楽などの感情の変化は病気を引き起こす原因の一つとして考えられているのが漢方なんです。
漢方の古典に書かれています。
「怒りは気を上げ、喜びは気を緩め、恐れは気を下ろし、悲しみは気を消す」
意味は、大きな情緒の起伏が病気の引き金になるから、注意すること。
難しい表現ですが「喜びは気を緩める」とは、緊張を解いて、リラックスさせるという意味が含まれています。
悦び過ぎると体の負担になる
漢方での考え方に、どんなに良いことでも、過ぎるのは問題、というのがあります。
喜びにも当てはまります。
喜びは気を緩めるてくれます。
それにも限度があるんです。
過度の喜びは、心身を興奮させ不安定にしてしまいます。
漢方では、五臓六腑のなかの「心」を、心臓という意味だけでなく、もっと広い意味で捉えています。
それは精神・感情をコントロールする機能としての働きです。
喜び過ぎたり、はしゃぎ過ぎると、心身の興奮から心の気を消耗することになります。
そのため逆に気持ちが落ち着かなかったり、考えがまとまらない状態になるんです。
他にも不眠、不安感などの精神症状が出やすくなります。
特に更年期にさしかかった女性に多く見られる症状でもあります。
精神を安定させる生薬(安神薬)には、遠志、酸棗仁、茯苓、柏子人などがあります。
これらの生薬を中心に組み立てられた、漢方薬も一般的に販売されています。
これらの処方には安神薬としての働きの他に、心気を補う党参、体に潤いを持たせ興奮を鎮める生地黄、麦門冬などが配合されています。
中国清代の小説「紅楼夢」の中にも、女主人公に処方される薬として登場しているんですよ。
口渇、手足のほてり、のぼせといった陰虚症状から来る不眠や寝つきの悪さ、動悸、息切れ、不安感などに使用されています。