昔からガンは存在していた
「癌」という文字は、体にできた腫瘍の形状はでこぼこで、固くて移動しない事から中国の古文字「岩」からきているのでは、といわれています。
他にも中国の古い医書「黄帝内経」の中に、筋癌、腸癌、骨癌など記載されています。
中医学(中国漢方)は長い時間をかけて、ガンに対処していたことがわかります。
中医学(中国漢方)と現代医療
ガンの治療の多くは、西洋医学で治療されますが、近年、漢方薬を併せることで症状の軽減のみならず、腫瘍の進行の抑制、腫瘍マーカーの軽減も報告されています。
生存率と生活の質を上げる
最近の研究では抗がん剤のみの治療と漢方を併用した治療を比べると、生存率や生活の質の向上があるとのこと。
に抗がん剤治療をうけた患者に漢方薬併用した報告では、骨髄抑制や、うつ、食欲、全身状態の改善が認められたそうです。
ガン治療に漢方薬が使われることが一般的になってきているようです。
中医学でガンへの対応は「補法」「瀉法」を使い分けるのがコツ
最近のニュースでガンの免疫療法に漢方薬を応用する研究が紹介されていました。
紹介されていた研究では漢方薬によって活性化されたリンパ球がガン細胞を攻撃している状況が顕微鏡映像の動画で紹介されていたんです。
近年の研究で漢方薬の有効性が、科学的に立証されているんです。
最近の研究では、免疫力を高め抗ガン作用をもつ漢方処方として補気剤が紹介されることが多いように感じています。
中国における研究では、補血剤や補陰剤にも、類似の作用があることがわかってきています。
これらの治療法はいずれも補法に属し、正気(免疫力)を高めることにより、病邪(ガン細胞)に対抗するための考え方です。
中医学(中国漢方)の考え方として、ガンの腫塊そのものを痰や瘀血(血の滞り)などの病理産物の集合体と、捉えています。
そして、この腫塊の影響によって起こる臓器の機能低下や抗ガン剤の副作用、精神的ショックなどが体全体いの代謝障害を引き起こすため、新たな病理産物を生むという悪循環を繰り返すのが、中医学でのガンと考えられています。
このような体の状態の場合、中医学では活血化瘀(血行改善)薬や化痰散結(しこりを取り除く)薬などを使った瀉(邪を取り除く)法を用いるようにします。
つまり補うだけではなく、瀉するようにします。
補法と瀉法を、状況に応じて使い分けて体のバランスを整え、恒常性(ホメオスタシス)を回復するというのが、中医学におけるガン治療の基本的な対応とされています。
どのような場合でも、バランスが重要なのが中医学。
プラスだけが体に良いことではないんです。