ぜん息の根本治療には補腎薬を
生薬の名前には、いろんな意味が含まれています。
淫羊かく(いかりそう)の漢字が凄すぎます。
今回は喘息と淫らについて😅
漢方の強壮薬に淫羊かく(イカリソウ)という生薬があり、羊がこの薬草を食べると淫らになる(発情する)という言い伝えがあります。
その漢字のとおり、淫羊かくは精力減退、男性の不妊、インポテンツなどに効果があるとされ、さまざまな強精強壮剤に取り入れられています。
多くはドリンク剤。
しかし、この淫羊かくが喘息にも効果があることはあまり知られていません。
中国の蘭州医学院で、気管支喘息の患者に淫羊かくを投与したところ、免疫能力が増強され、症状が大幅に改善したという報告があります。
また上海のある医科大学でも、秋にきまって喘息発作に襲われる患者に対して、8月末から10月末にかけて淫羊かくを配合した補腎薬を投与したところ、発作に対する顕著な予防効果が得られたとの報告がありました。
一方、よく病院などで使用されている小青竜湯を服用した組には、このような予防効果が認められなかったとのことです。
副腎皮質ホルモン剤を長期運用した場合、離脱するのは大変です。
そのような患者さんに補腎薬を平均3か月服用することで、ホルモン剤を止めても発作しなくなったという報告まであるんです。
あくまで、中国の病院での報告です。
中医学的には肺と腎
漢方の古典に「肺は気の主であり、腎は気の根である」と記載されています。
中医学での喘息の治療方針は、発作時には肺を治療し、根本治療には補腎薬を用いて腎を強化するようにします。
漢方には、肺と腎を同時に治療する生薬や処方がある。有名な冬虫夏草もその一つで、喘息や肺気腫などの治療によく用いられます。
冬虫夏草に人参や蛤かい、鹿茸を組み合わせて効能を強化した処方としては、双料参茸丸とうい処方があります。
注意:冬虫夏草
冬虫夏草の市場価格は高騰中です。
また、薬効のある冬虫夏草は、菌糸体の種類が決まっています。
どの、冬虫夏草でも、いいわけではありません。
私でも、本物を目にすることは、ほとんどありませんので、冬虫夏草の商品には注意してください。