桃の節句の美容効果について

美容や血行改善 桃にすぐれた薬効

三月三日は桃の節句。
もともと中国の古い習慣が日本に伝わったと言われていますが、実際、今の中国には残っていないようです。
不思議なのは日本人が桜の花をこよなく愛するように、中国人は桃の花に特別な愛着をもっていることです。
桃の開花期、中国は一年で一番過ごしやすい季節。
理想郷のことを桃の花の咲きほこる桃源郷と表現されます。

桃には魔除けの力があるという信仰があり、中国には桃の枝でお祓いをする風習があります。
古くは、桃は「仙果」といわれ、長寿のシンボルとされていました。
その名残から、今日でも老人の誕生日には長寿を祝って、桃をかたどったお菓子を贈られています。

漢方の立場から見ても、桃には大変すぐれた薬効があります。
医学書の『本草綱目』には、桃の葉・花・種・皮などを薬として使ったという記録があるほどです。
たとえば桃の実は、肌に潤いをもたせ美容にいいんです。
日本でも似たようなイメージですよね。

漢方として、最も優れた薬効をもっているのは種(桃仁)の部分で、活血(血行改善)作用に優れ、特に脳や末梢血管の血流量を増やし、血栓の形成を防いでくれます。
ほかにも消炎・抗菌などの作用があって、現代医学の研究では、慢性肝炎に効果があることもわかっています。

中国では、婦人の聖薬といわれる四物湯に、桃仁と紅花を加えた桃紅四物湯が有名です。
日本でも桃仁の入った桃核承気湯や桂枝茯苓丸などは、婦人科でよく使用される漢方薬です。

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