「おりもの」から、わかること

おりものは健康状態知る手がかり

婦人病の相談を受けた時に気づいたことがあります。
多くの女性はが帯下(おりもの)についてあまり気にしていないことです。
私が男性だからかもしれませんが、自分の体から出てくるモノです、気にして欲しいかな。

漢方では帯下(おりもの)を、身体の健康状態を知る手がかりになるものとして注意しています。
中国での研修中、女性は、日頃から帯下の色や分泌量・臭い・粘度などに気を使っていました。
そのため異常を感じた時には、すぐ医師に相談していたように思います。

月経前や排卵期に少量の帯下があるのは問題ありません。
それ以外の時、帯下が長く続いたり、分泌量が多い場合、病理的な異常が考えられます。
さらに、腰痛や下腹部の不快感を伴うことが多くなります。

体質とおりもの

帯下(おりもの)によって体質を判断し漢方を選びます。
白くて水っぽい帯下(白帯)は、慢性の炎症や身体に冷えがあることを表しています。
黄色味を帯びて、粘り気や臭いが強い帯下(黄帯)は、感染による炎症があったり、身体に熱があると判断します。

漢方では帯下を、湿による疾病の一種ととらえているんです。
体内に湿(病理的な水分)がたまったり、炎症があると、分泌物の量が増えます。
その湿が熱を帯びてくると、分泌物は黄色味を帯びたり、臭いが強くなるんです。

サラサラして量の多い寒湿型の白帯は、脾(消化器系)の水分代謝機能の低下しています。
この場合には、食欲不振・下痢・月経過多などの症状を伴うことが多くなります。
処方としては参苓白朮散を使用することが多いです。
冷えが強い時には、八味地黄丸などを併用します。
粘り気があって臭いが強い湿熱型の黄帯には、湿熱を除去する木通・車前子、抗菌作用のある竜胆・山梔子などを配合した瀉火利湿顆粒が選択肢の一つとなります。

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