「最近、トイレが近い気がする」
「仕事中に何度も席を立つのが気になる」
「夜中にトイレで目が覚めて、朝がつらい」
40代になると、こうした頻尿の悩みを感じる女性が少しずつ増えてきます。けれど実は、「何回から頻尿なのか?」を正しく知っている方は意外と多くありません。
この記事では、医学的な定義と、漢方・中医学の視点をあわせて、40代の働く女性にも分かりやすくお伝えします。

どのくらいで「頻尿」と言うの?
医学的な目安は「日中8回以上」
現在、泌尿器科のガイドラインなどで使われている頻尿の目安は、「朝起きてから寝るまでの排尿回数が8回以上」とされています。
回数だけでは判断できないのが頻尿
排尿回数は、水分摂取量・カフェインやアルコール・気温や発汗量・仕事や生活リズムなどで大きく変わります。そのため、「1日◯回以上だから異常」と一律に決めることはできません。
回数が8回未満でも、本人が「多くて困る」「生活に支障がある」と感じていれば、頻尿として考えることがあります。
頻尿とは「自分自身が“トイレが近くてつらい”と感じた状態」。これが、とても大切な考え方です。
40代女性に多い「頻尿の特徴」
40代の働く女性の頻尿は、回数が多いだけでなく、次のような悩みを伴うことがよくあります。
- 尿の出が悪い
- スッキリ出きらない(残尿感)
- 夜中にトイレで目が覚める(夜間頻尿)
- 冷えると急に行きたくなる
- 緊張するとトイレが近くなる
これらは「年齢のせい」で片づけられがちですが、体の冷え・疲れ・睡眠不足・ホルモンの変化・ストレスなど、複数の要因が絡んでいることが少なくありません。
中医学では「腎」が尿トラブルの中心
漢方・中医学では、尿のトラブルは主に「腎(じん)」の働きと深く関係すると考えます。ここでいう「腎」は、西洋医学の腎臓だけを指すのではなく、水分代謝や加齢変化を含めた全体の働きとして捉えます。
中医学の「腎」が担う役割
- 体内の水分代謝の調整
- 膀胱の働きのコントロール
- 排尿の“締まり”と“緩み”
- 加齢に伴う変化への対応
つまり腎は、「水分」と「年齢変化」をまとめて管理する司令塔のような存在です。
頻尿も、尿が出にくいのも「同じ処方」?
「トイレが近い」と「尿が出にくい」は、一見すると正反対の症状に見えます。ですが漢方では、これらを同じ原因から起きる症状として捉えることがあります。
異病同治(いびょうどうち)という考え方
中医学には、見た目が違う症状でも根本原因が同じなら同じ治療をするという「異病同治」という考え方があります。頻尿・残尿感・尿の出の悪さは、腎のエネルギー不足(特に腎陽)が関係することがあります。
冷え・夜間頻尿と「腎陽不足」
特に40代以降に増えやすいのが、次のようなタイプです。
- 冷えるとトイレが近い
- 夜間頻尿で眠りが浅い
- 尿の色が薄く透明
- 下半身が冷えやすい
中医学では、これは腎陽(じんよう)不足と考えることがあります。腎陽は、簡単に言うと体を温め、水分を正しくコントロールするエネルギーです。
腎陽が不足すると、膀胱を締める力が弱くなったり、排尿反射が過敏になったりして、頻尿や残尿感につながることがあります。
漢方が「頻尿」と「尿の出にくさ」の両方に使われる理由
腎陽を補う方向の漢方では、体を内側から温めたり、自律神経のバランスを整えたりすることで、結果として頻尿にも、尿の出にくさにも対応できることがあります。
代表的な処方に含まれる生薬として、附子(ぶし)・肉桂(にっけい)などが知られています。漢方は、西洋医学とは違い、体全体のバランスを立て直すアプローチが特徴です。
注意が必要なケース
ただし、すべての頻尿に「温める漢方」が合うわけではありません。次のような場合は、選択を慎重に考える必要があります。
- 体がほてる
- のぼせやすい
- 尿の色が濃く黄色い
- 口が渇きやすい
- 急な炎症・感染症が疑われる
自己判断せず、体質をきちんと見極めることが大切です。
まとめ|「年齢のせい」と諦めないで
頻尿は、回数だけで決まるものではありません。冷え・疲れ・睡眠不足・ホルモン変化などが重なって、今の症状として表れていることもあります。
「くすりの厚生会」では、今の生活と体質に合った整え方を大切にしています。「これって相談していいのかな?」という段階からでも大丈夫です。気になる方は、お気軽にご相談ください。