妊娠中に「運動をしても大丈夫?」「流産のリスクは?」

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妊娠中のスポーツと運動

妊娠中に「運動をしても大丈夫?」「流産のリスクは?」と不安に思う方は多いでしょう。特にインターネット上では意見が分かれているため、どれが正しいのか悩んでしまうこともあります。そこで今回は、妊娠中の運動について詳しくお話しします。

マタニティヨガ

流産について理解しよう

まず、流産とは妊娠22週未満で妊娠が終わってしまうことです。流産にはいくつかの原因があり、時期によって違いがあります。

早期流産(妊娠12週未満)

妊娠3ヶ月までの流産を「早期流産」と言います。多くの早期流産は染色体異常など、胚自体に問題があるために起こります。このような流産は運動や生活習慣とはあまり関係がなく、母体が原因であることは少ないです。

後期流産(妊娠12週以降)

妊娠4ヶ月以降の流産は「後期流産」と呼ばれ、子宮頸管無力症や感染症など、母体の健康状態に関係することが多いです。この時期になると妊娠が安定しやすく、流産のリスクも低くなります。

中医学から見た流産の原因と対策

中医学(伝統的な中国医学)では、流産の原因は「気血不足」や「腎虚」に関連することが多いとされています。

  • 気血不足:妊娠には十分な「気」と「血」が必要です。気血が不足すると胎児に必要な栄養が届かず、流産のリスクが高まります。気血を補うためには、鶏肉、牛肉、紅花(こうか)、当帰(とうき)など、気血を補う食品や漢方薬が推奨されます。
  • 腎虚:中医学では「腎」は妊娠や生殖機能を支える重要な要素です。腎の力が弱まると妊娠を維持する力も低下します。腎虚の改善には、くるみ、山薬(さんやく)、枸杞子(くこし)など、腎を強化する食材や漢方が役立ちます。

妊娠中は中医学的な観点からも、体を冷やさないことや過労を避けることが重要です。特に「寒」によって体が冷えると気血の流れが滞りやすくなり、妊娠維持に悪影響を及ぼす可能性があります。適度に温かい食事をとり、体を温めることが推奨されます。

妊娠中の運動は安全?

妊娠12週を過ぎて正常な妊娠経過が確認されると、適度な運動が流産につながる可能性はほとんどありません。多くの研究で、安定期以降の軽い運動が妊娠中の健康に良い影響を与えることが示されています。具体的には以下のようなメリットがあります。

  • 体重管理:妊娠中は体重が増えやすく、過度な増加は妊娠高血圧症候群などのリスクを高めます。適度な運動で体重をコントロールすることが大切です。
  • ストレス解消:軽い運動にはリラックス効果があり、ストレスを和らげることができます。心身の安定は妊娠中のストレス軽減に役立ちます。
  • 出産に向けた体力づくり:全身運動によって血行が良くなると、出産に必要な筋肉が鍛えられ、分娩の準備にもなります。

中医学的には、運動も「気」の流れを良くするために効果的とされています。しかし、過度な運動は「気」を消耗し、逆効果となることがあります。軽いウォーキングやヨガのような、リラックスしながら気血の流れを促進する運動が推奨されます。

運動をしていなかった人は?

妊娠前に運動をしていなかった方でも、無理に新しいスポーツを始める必要はありません。まずは「ウォーキング」がおすすめです。ウォーキングは全身運動で血行を促進し、出産に必要な筋肉も鍛えることができます。日々の軽い散歩は妊娠中の健康管理に効果的で、安全に続けられる運動です。

中医学では、ウォーキングは「陽気」を活性化し、気血の巡りを助けると考えられています。妊娠中は無理なく続けられるウォーキングが体を温め、胎児にも良い影響を与えるとされています。

安全に運動をするためのポイント

  • 医師に相談する:妊娠中の運動については、必ず医師に相談し、体調に合った運動を選びましょう。
  • 軽い運動から始める:ウォーキングやヨガ、軽いストレッチなど、負担の少ない運動から始め、無理なく続けることが大切です。
  • 疲れたらすぐに休む:運動中に息切れや疲労を感じたらすぐに休むようにし、無理をしないよう心がけましょう。

まとめ

妊娠中の運動は、多くの場合、流産の原因にはなりません。しかし、妊娠の時期や体調に合わせた運動を行うことが大切です。中医学的な視点からも、気血を整え、体を温めることが重要です。初心者でも安心して取り入れられるウォーキングなど、無理のない範囲で体を動かし、健康的な妊娠生活を送りましょう。

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