「時間の医学」漢方の診断方法「弁証論治」を使いこなす

「弁証論治」で機敏に対応

最近、漢方に関する番組が増えた様に感じます。
中国漢方の医療現場がテレビでも紹介されたり。
私も中国臨床研修でビックリしたのですが、ひと抱えもありそうな煎じ薬の大きな紙包みを持ち歩いている患者さん達。
中国ではいったい何日分の薬を出すんだろう、驚きを今でも覚えています。

日本とは違うんです

中国では薬(漢方薬)の量が日本の3倍、4倍くらい。
あれで3日分だと先生に言われて、ビックリ。
個人的には飲めるわけないよって。
漢方の出し方も日本とは違います。
日本の病院だと、普通に4週間分以上出されている感じがしますが、中医学では、初期のうちは3日から1週間単位で薬を出すのが一般的。

もちろん症状が安定すれば同じ薬を長期服用します。
日本の一部の専門家のように最初から1カ月、2カ月単位でまとめて薬を出すことはないんです。

漢方を使うと体が日々変化する

3日から1週間服用すれば、症状に変化が現れます。
症状に変化があれば、薬も当然変わるというのが中医学の考え方なんです。
中国では、そのことを患者さんもよく心得ています。

これは、中医学の病気へのアプローチのしかたなんです。
中医学では、患者の自覚症状から「証」を求めます。
1人1人の違いをとても重視しします。
この違いで、その人に合った方剤を決めていくのが「弁証論治」という考え方なんです。

証とは

この「証」。
その時々の病気の姿であり、経過とともに変わるもの、という考え方なんです。
症状が軽くなれば、それに対応して薬も変わります。
気候が変われば、体質の変化に応じて薬も変わるんです。
体への影響を限りなく症状と合わせていきます。
漢方が「時間の医学」といわれているんです。

中国での臨床研修中に中国人はモノごとを百年単位で考えると教わりました。
それなのに、ナゼか漢方薬に関しては日本人よりも短いサイクルで対応するんですよね。

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