蓄膿症には炎症抑え通りよくする生薬を
鼻の病気といえば、春先のアレルギー性鼻炎といえるくらい相談数が多いんです。
その中でも特に蓄膿症で悩んでいる人が多いんです。
集中力にも影響
蓄膿症は、細菌の感染によって起こる副鼻腔の炎症で、頑固な鼻づまり、頭痛などを伴い、思考力にも影響を与えることもあります。
受験生などは早めに対応しておいてください。
漢方には古くから蓄膿症に対応していたんです。
中国漢方の古典『黄帝内経』に、蓄膿症のコトを「鼻淵」として記載されています。
漢字の｢淵」には｢深い」という意味があり、水の澱んだ状態を表しています。
つまり、鼻淵とは、濁った鼻汁が多量にたまる病気ということです。
蓄膿症の原因を中国漢方では、外因の｢風熱」が考えられています。
風熱とは、細菌感染による炎症のことでもあるんです。
治療薬として、西洋医学では抗生物質を使いますが、中国漢方の処方に鼻淵丸という処方があります。
鼻淵丸の処方構成は、大きく分けて二つ。
一つは蒼耳子や菊花、金銀花などの、炎症を抑える作用や抗ウイルス・抗菌作用を持つ生薬。
もう一つは辛夷や蒼耳子などの、鼻腔の通りをよくする生薬。
香りの強い揮発性のある生薬は、鼻や肺など上部に作用しやすいとされています。
香りも漢方なんですよ。
花びらや蕾など、香りのある生薬を煎じると、その匂いだけで鼻のつまりが通ることがあります。
身近なイメージとしてワサビを食べると、鼻にツーンと独特の刺激がくるように、辛味のものにも鼻を通じさせる作用があるんです。
このように、花びらや蕾など体の上部に作用する生薬や辛味の生薬が、膿汁を排泄して鼻のつまりを通し、鼻粘膜の炎症を改善してくれるんです。