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さわやかな香りの成分で胃腸の機能を改善
香りの漢方(芳香化湿薬)の漢方薬と言えば勝湿顆粒です。
漢方を扱う仕事をしていれば、知らない人はいないくらいの漢方薬。
中国では蒸し暑い季節になると、薬局の店頭に一斉に並ぶそうです。
夏の風物詩ですね。
日本では、知名度が低く、一部の人に夏カゼの薬として知られている程度、たまに専門家でも知らない人もいます。
朝の忙しい時間を効率的に口臭を消す
そのくらい一般的にはマイナーな漢方薬ですが、含有される芳香性精油成分の多彩な薬理作用により、幅広い薬効があるんです。
さわやかな香りを放つ芳香成分が嗅覚や味覚を刺激することによって、胃液の分泌や胃腸の蠕動運動を促進し、食欲を増進させます。
似ているのが「うな重」や「カレー」の臭い。
ついつい、食欲が湧きますよね。
このように胃腸機能が停滞して食欲がない、お腹がすかないといった、いわば眠ったような状態の脾胃(消化器系)を醒まし、胃腸機能の停滞を改善することを、漢方では醒脾作用といいます。
また、健胃作用や腸管内の異常発酵を抑える作用があるので、胃腸のガスやゲップなども解消できるんです。
朝、急いで仕事や学校に行くときに、口臭が気になったら1包で効果があるはず。
さらに、止瀉作用や制吐作用もあって、下痢やはき気にも使えます。
妊娠時のつわりなどにも使いやすい漢方薬なんです。。
他にも芳香成分には、解毒、抗菌、抗アレルギー作用のあることが確認されています。
勝湿顆粒は食中毒やアトピー性皮膚炎、ジンマシン、水虫などの治療にも応用されたりもしています。
日本は高温多湿の国。
それなのに湿の病気に関する研究が少し不足しているような気がしています。
もっと香り(芳香成分)を上手に使っていくことで、簡単に夏の体調を整えることができるはずなんです。