湿の病気 代謝システム治す
中国漢方の考え方は、どこまでもシステムとして体を考えているというコト。
つまり、論理的に考えやすいんです。
湿の病気に対して、中国漢方にはいろいろな治療法があります。
それは、水分の代謝はおもに肺・脾・腎の共同作用とする、漢方独特の考え方かです。
これがシステムなんです。
例外がほとんど無いのも特徴ですね。
口から胃に入った水分は、脚(消化器系)で吸収され、肺へ運ばれて全身を潤し、一部は汗となり、やがて尿となって体外に排泄されるというルールになっています。
つまり、肺・脾・腎を一つの代謝システムなんです。
肺の働きについては、わかりやすく解説します。
やかんのフタには穴が開いています。
なぜでしょう?
誰もが試したことあるはずですよね😀
この穴をふさぐと、お湯の出は悪くなります。
実は、中医学での肺は体全体の水分代謝における、この穴の働きをしているんです。
実際、肺は空気を取り入れるために外と繋がっていますしね。
肺の働きが良ければ、水分はスムーズに全身をめぐり、腎臓へ送られます。
水分による病はシステム異常
上記の解説のとおり、影響が病理的な水分が体内にたまって引き起こされる湿の病気に対して、中国漢方では代謝システム全体が治療が必要となります。
上半身の症状、頭重感や顔面部にむくみが顕著な場合は、システム上部の異常ととらえて肺から調整を始めます。
小青竜湯などの漢方薬で肺の働きを改善すると、上部に停滞している水分は下に降りてきます。
花粉症の鼻炎などで使われるのは、上部に溜まっている水分を下に降ろすからです。
胃のむかつき、食欲不振などの症状となって現れる脾胃(消化器系)の停水には、勝湿顆粒や健胃顆粒がオススメ。
尿の出が悪い、足が重い、下半身にむくみが目立つといった症状には、利尿作用の強い五苓散や、腎の働きを強める参馬補腎丸などがオススメです。