漢方は病に合わせて対処する
病気には、それぞれに特有の進行過程があります。
病気が次にナニをするのか的確に把握していれば、疾病の転移、悪化を防げるはずです。
たとえば慢性肝炎は、病気の進行とともに脾胃(消化器系)の働きに影響が出てきます。
漢代の医聖・張仲景は「肝臓の病気を治す際には、その病気が肝から脾胃へ転移するのが既にわかっているので、前もって脾胃を保護しなければならない」と言っています。
病の進行方向である肝臓病の脾胃への転移を防ぎ、病状の悪化を防ぐようにすることで、対処できることがわかります。
次の季節に合わせて日々過ごす
ある種の疾患には、よくなったのに、また繰り返し、症状がでることがあります。
特にアレルギー性疾患、たとえば花粉症、ゼンソクなどは、治ったように見えてからが大事。
対策として、症状が無い状態からの対策です。
症状が無いので、なにもしないというのは、繰り返すと同じ意味。
中医学では、冬病夏治(冬の病気は前の夏から治療開始)、春病冬治(春の病気は前の冬から治療開始)が基本。
冬にゼンソク発作を起こす患者には、夏場から腎と肺を強める中成薬を用い、副腎皮質の機能を高めて抵抗力をつけるようにします。
花粉症では、前年の秋・冬から薬をのみ始めて、春先のシーズンに備えるんです。