睡眠中に夢をみないで熟睡するために

悪夢を食べる「獏」

蒸し暑くて寝苦しい夜。
恐怖映画を見る季節。
個人的には、見るコトがないのですが。
たまに、見ると、悪い夢にうなされることがあります。
やっぱり嫌いなんですよね〜

日本には古くから、この悪夢をバク(獏)が食べてくれるという伝説が存在しています。
戦国武将の中には、夜着や枕絵にバクの絵柄を配することもあったとか。

獏(ばく)は、中国から日本へ伝わったと言われています。
詳しく調べてみると、人の夢を喰って生きるとされていますが、どうやら夢は将来の希望の意味ではなくレム睡眠中にみる夢なのでは?とも言われています。
夢を食べるというより、怖い夢をもう見ないように、「(この夢を)獏にあげます」と唱えることで同じ悪夢を二度と見ないように、というお願いのようです。
戦国時代では、少しでもよい夢をみたいという、武将たちの思いがあったのではないだろうか。

中国の獏

バクの伝説は、もちろん中国にもあります。
邪気を追い払う魔除けの力を持った動物とされているそうです。
そのため、屏風絵などに描かれることが多いようで、その皮を敷いて寝ると、湿邪を払うともいわれています。
日本と中国では、バクにかんする捉え方が似ています。
「悪夢を食べる」「湿邪を払う」という日中のバク伝説。
無関係ではないはず。
特に中国漢方の考え方をすると共通点があるんです。

ストレスが溜まると粘液状の分泌物が多くなりやすくなります。
また普段から脾胃(消化器)の働きの悪い人が、水分を摂り過ぎたりすると、体内に病理的な水湿(湿邪)が溜まっていきます。
そして、これが長く停滞すると粘りけを増すんです。
イメージは「ベトベト」。
このベトベトは痰といわれ、体の各部に悪影響を与え、精神に影響が及ぶと、不眠、イライラ感、胸悶感、憂鬱感、不安感、幻覚などの症状が現れます。
さらに、さらに、さらに、、、
胸苦しさから、悪夢にうなされることにもなるということなんです。

湿邪と悪夢には密接な関係がある、ということですね。

睡眠と生薬

湿邪を払い、悪夢を解消してくれる、いわばバクに相当する処方に星火温胆湯があります。
処方内容をみてみると、鎮静・安眠作用のある黄連、半夏、酸棗仁。
痰湿や気の停滞を改善する竹茹、陳皮、茯苓などで組み立てられています。
これらの生薬の組み合わせにより、湿邪が原因となる胃腸症状から精神症状改善まで幅広く使用できます。

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