白内障で分かるネットや本だけで漢方薬を選ぶべきではない症例

白内障

水晶体が灰白色や茶褐色ににごり、物がかすんだりぼやけて見えたりするようになる。
以前は「白底翳(しろそこひ)」と呼ばれていた。
水晶体を構成する蛋白質であるクリスタリンが会合することで変性し、黄白色または白色に濁ることにより発症するが、根本的な原因は解明されておらず、水晶体の細胞同士の接着力が弱まったり、水分の通りが悪くなったりして起こるのではないかといわれている。
発症は45歳以上の中年に多く、年齢を重ねるにつれて割合が増加する。

ウィキペディア

中医学(中国漢方)では目の症状は内臓からきている

中医学では「肝は目に竅を開く」といわれています。
つまり肝の具合は目に表れるんです。
そして「肝は腎に養われる」とされているので、目の症状に対処するには「肝」+「腎」の強化が重要と考えれています。
中医学の基本「肝腎かなめ」なんです。
注:西洋医学でいう肝臓・腎臓病とは違います

中医学的な「肝」+「腎」が弱ると現れる主な症状

疲れ目、かすみ目、視力低下、目の痛み、乾燥、めまい、目の充血、耳鳴り、白内障、緑内障、飛蚊症、のぼせ、めまい、頭重、耳鳴り、難聴、咽の渇き、骨粗しょう症、疲れやすい、腰痛、足腰のだるさ、手足のほてり、頻尿、残尿感、排尿困難、尿量減少、前立腺肥大、むくみなど

漢方での白内障は、陰虚と陽虚の判断がキモ

先日、お客様がインターネットで白内障を調べて漢方薬を購入され、相談に来られました。
ネットには白内障にいい薬があるという内容の記事があり、ネットで購入して1カ月ほどまじめに服用したとのこと。
ここからが問題で、症状がよくならず、逆に口渇やのぼせがひどくなったそうで、さらに血圧も上がり気味に。
来店したときには、目が充血している状態でした。

漢方薬は病名ではなく体質に合わせることが重要

来店されたときのお客様の体質は、手足のほてりやのぼせといった熱性の症状が出やすい陰虚「体液不足」タイプでした。
購入された漢方薬は一般のドラッグストアーでも手に入る有名な商品でした。
この漢方薬には体を温める作用の強い附子や桂枝が使用されています。
そのため、陰虚タイプの人が服用すると熱や乾燥症状が強くでることがあります。
つまり、購入されたお客様のタイプの場合、購入された漢方薬から附子や桂枝を抜いた系統の薬を選ぶのが正解だったんです。

附子や桂枝が使用されていない代わりに、目の働きをよくする枸杞子と菊花を加えた漢方薬に変更していただきました。
お話しを聴いていると不眠症状もあるとのこと。
のぼせやほてりがある時と眠れない時と、薬を使い分けて服用することで、非常に調子がよくなってきました。
ネットや本などで、漢方薬を西洋医学的な病名で選ぶと、どうしても処方も間違うことが多くなります。
今回の用に、病名が同じ白内障でも、中医学(中国漢方)では陽虚(冷え)タイプの人であれば、購入された漢方薬で大丈夫だったはず。
漢方薬は、それぞれの体質や状態(寒熱・虚実など)がとても重要ということです。

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