漢方と不妊 無排卵の場合 (前編)

漢方薬で排卵を促進する方法について

症例:不妊の原因:無排卵、多発性子宮筋腫

漢方での不妊対策は基礎体温のリズムに合わせて漢方薬をのみ分ける方法があります。
漢方でのきめ細かい対応方法は、いろいろなタイプの不妊に対して有効であることがわかってきています。
ただし、条件がいろいろとあります。
特に月経はあっても、基礎体温が平坦で高温期が見られず、無排卵と考えられる場合は、すこし体調をととのえてから不妊漢方をスタートすることになります。
これらのことが理解できていないと漢方は使えないと思っていいでしょう。
なぜなら、妊娠がゴールではないからです。
その手に抱くまでが最初のゴール。

そもそも、無排卵状態の体から、排卵を促すために、体の弱点があればそれを補い、気(エネルギー)や血をめぐらせて、卵巣の働きを活発にさせないと上手くいかないんです。
体に必要なエネルギーや血が不足した状態の場合、よい血を増やす当帰などの生薬を含む漢方薬を用いながら、卵胞の発育を助けるために、体を温め、体力をつけながら血を補う補腎剤を月経直後からのみ始め、その後1週間は、排卵を促す目的と、子宮筋腫の改善のために活血薬を使用して、月経周期を整えるようにします。

高温期より低温期

よく高温期だけ重要と考えている方が多いのですが、月経周期の中でも、卵胞が発育していく時期(低温期)は、妊娠するために非常に大事な時期なんです。
無排卵ではなくても、卵胞の発育が充分ではなく、それが不妊の原因になっているケースは非常に多いといわれています。
低温期は「妊娠の可能性がない時期だから」と暴飲暴食、さらには夜更かしなどなどされる方がおられますが、よい卵子を育てるために最も大切な時期と考え、充分な栄養と休息をとり、ゆったりとした気持ちで過ごすことが大切です。

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