漢方が効かないのは「虚」「実」を間違っているから?

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四字熟語「虚々実々」

互いに策略や手段を尽くして戦うこと。
また、うそとまことを取り混ぜて、相手の腹を読み合うことにもいう。
▽「虚」は守りの弱いところ、「実」は守りの堅いところ。実を避け虚をついて戦う意。
「虚」「実」のそれぞれを重ねて、意味を強調した語。

句例 虚々実々のかけひき
用例 そしてこれも、東海の雄にのしあがってきていた家康と、虚々実々の攻防をくりひろげる。<杉本苑子・決断のとき>

三省堂 新明解四字熟語辞典

虚に対しては補い、実に対しては瀉する

四字熟語の「虚々実々」は、戦いや駆け引きの形容に使われる言葉です(上記参照)。
中医学(中国漢方)でも似たような言い方があります。

「虚々実々の戒」

似ていても、意味は全くちがっています。
中医学の「虚々実々」とは「虚をさらに虚せしめ、実をさらに実せしめる」という意味です。

もう少しわかりやすく説明すると、誤治(治療の間違い)の戒めのことなんです。

虚証、実証の区別、判断は、漢方の最も基本的な判断となっています。

「虚証」は、気・血・水の不足、病気に対する抵抗力の低下状態。
「実証」は、抵抗力があるにもかかわらず、体内に気の鬱滞や痰湿・瘀血などの病理産物がある状態。

対処方法の原則として「虚に対しては補い、実に対しては瀉す」とされています。
漢方薬での対処として、まれにあるのが、虚実の間違い。
判断を誤ると、症状をさらに悪化させる結果になります。

たとえば気虚(元気不足)がある肥満の人に、表面上、体力が充実しているからといて、瀉剤を使用すると、下痢をしたり、冷えが出たりして、体調が悪くなることがあります。
この場合は、補気剤を用いるのが基本。

逆に、ストレスによって気が鬱滞している人に、元気がないからと補気剤を用いたりすると、ふくらんだ風船にさらに空気を入れるようなもので、ますます気が鬱滞し、腹が張ったり、胸苦しさなどの症状が現れます。
この時は、理気剤で気の流れを良くすようにします。

漢方には副作用は無い、とうのは間違いなんです。
副作用はあります。
薬なのですから。

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