不妊治療で気になる卵子の評価
さて今回は患者様から良く質問がある「受精卵のグレード」についてです。
「受精卵のグレード」について
受精卵のグレードが2種類存在します。
勘違いしやすい部分です。
1つは初期胚(4細胞期胚)の段階。
もう1つは胚盤胞でのグレード分類になります。
初期胚の分類
1~5数字で表されグレードの数字が小さい方が妊娠率の高い胚とされています。
グレード1
割球が均等でフラグメンテーションがない
妊娠率20~30%
グレード2
割球が均等でフラグメンテーションが10%以下
妊娠20%~30%
グレード3
割球が不均等でフラグメンテーションが10%以下
妊娠率10%以下
グレード4
割球が不均等でフラグメンテーションが10%~50%
妊娠率5%以下
グレード5
割球が不均等でフラグメンテーションが50%以上
妊娠率5%以下
胚盤胞でのグレード
初期胚のグレードとは異なり数字が大きくなるほど妊娠率が高まります。
グレード6
孵化した胚盤胞
妊娠率60%~70%
グレード5
孵化しつつある胚盤胞
妊娠率60%~70%
グレード4
完全胚盤胞、胞胚腔が全体に広がり透明帯が薄くなる
妊娠率50%~60%
グレード3
完全胚盤胞、胞胚腔が全体に広がる
妊娠率40%~50%
グレード2
初期胚盤胞、胞胚腔が1/2以上
妊娠率30%~40%
グレード1
期胚盤胞、胞胚腔が1/2以下
妊娠率20%~30%
さらに最近では4ABなどとアルファベットがついています。
1つ目のアルファベットであるAはICM(将来的に胎児の部分)
2つ目のアルファベットであるBはTE(胎盤になる部分)
を表してします。
アルファベットはAが一番よくB、Cと続きます。
最後に先日、ご質問頂きました病院のカルテには「BL3BB」と記載されていました。
後半の3BBは、上記の説明となりますが、BLとはBastocystの略で胚盤胞という意味です。
つまり胚盤胞のグレードが3なので40%から50%の妊娠率となります。
0%ではない
グレードについては、あくまでも目安なんです。
0%ではないのですから妊娠できないということではありません。
あくまで、妊娠しにくいということです。
また、妊娠率が高いからといって、出産までの数字でもないんです。
妊娠前からの体作りが大切なんです。