便秘には種類がある
そもそも、便秘といっても、種類があるんです。
つまり、自分の便秘の種類がわからないまま、薬を使っても、本来の効果ではないんです。
多くの方が、自分の「便秘」を知らず、たんに便がでればいい、と思っているんですね。
調べてみるとわかりますが、自分に合っていない便秘薬を服用していると、以外と大変なことになるんです。
安心と思い込んでいる酸化マグネシウムでさえ、自分の体と相談して使うコトが大切。
■ 高マグネシウム血症の初期症状
日本医療・健康情報研究所/創新社
吐き気、嘔吐、立ちくらみ、めまい、脈が遅くなる、皮膚が赤くなる、力が入りにくくなる、体がだるい、傾眠(眠気でぼんやりする、うとうとする)
体質で見分ける便秘薬
健康相談でも、便秘の相談は多いんです。
ほとんどの方が何年にもわたって、下剤の服用を繰り返しています。
中国漢方の古典には「魄門(肛門)は五臓の使であり、水殻(飲食物)が長く留まることを嫌う」とかいてあります。
そのため便秘になると、五臓にさまざまな影響がでます。
もちろん、ほとんどが悪影響。
多くの方が、悩みながらも下剤に頼ることに。
一時的に便を出すことはできても下剤は使えば使うほど悪循環に陥るおそれがあります。
漢方の便秘薬
体力のある人にみられる便秘には、大黄甘草湯、大承気湯のような瀉下薬が効果があります。
しかし、この種の下剤は、痩せてほてり感や体の乾燥感があるような、陰虚(体液不足)タイプの人の便秘の方に使用する際には注意が必要なんです。
例えば、加齢によって腸液や体の水分が不足気味の時に、下剤を使って無理に通便させると、腸液も一緒に消耗します。
その結果、腸管に潤いがなくなり、ますます排便が難しくなってしまいます。
イメージは腸の熱中症でしょうか。
発汗や嘔吐などによって、体液を多量に消耗している時には、特に慎重に使うコトに、というより使わない方がいいんです。
このタイプの人の便秘には、腸を潤す水分補いながら排便を促すのが原則で、腸を潤す作用をもった地黄・当帰、油脂を含み潤腸する麻子仁などの生薬がオススメ。
これらの生薬を配合した漢方薬が存在しています。
女性が便秘しやすいわけ
女性は、産後、生理不順などで血液を消耗し、血虚による便秘になりやすいんですね。
この場合には、便秘の漢方薬に、血を補う漢方薬などを併用します。