不眠は心臓血管病のリスクを上げることに

10年間の追跡調査でわかったこと

不眠症が心臓血管病のリスクを上げる、という論文がNeurology誌に掲載されていました。

結果だけお伝えすると、心臓血管病のリスクは、入眠困難で9%上昇、中途覚醒で7%上昇、早朝覚醒で13%上昇となっていて、睡眠に、なんらかの問題が有る場合、臓血管病、虚血性心疾患、虚血性脳卒中などのりクスが高まると報告されています。

気・血・陰の充実により不眠治療

漢方でも心と睡眠はとても関係が深い。
特に、最近は不眠の相談が急激に増えています。
中国漢方では、不眠はさまざまな原因の病気に現れる症状の1つなんです。
中国漢方での「心」は、一般的な「心臓」とは少し違います。
西洋医学と同じ血液ポンプとしての働きもありますが、思考・精神作用の中枢でもあるんです。
「心は神(精神)の舎るところ」ということなんですね。

安心=安神

精神活動を安定させる(安神という)ためには、心を養う栄養物の血や陰(体液)、気(陽)などが十分に満たされていることが必要です。
これらが不足することで不眠になってしまいます。

いろいろな原因で心の血が消耗することで、血色が悪い、動悸がする、寝つきが悪い、夜中に目が覚めて眠れない、などの症状が現れることに。
原因が血の不足とわかるのであれば、血を補い、安神作用の漢方薬と血を補う漢方薬を併用します。

基本、漢方薬は1種類だけ使用することはまれです。
ナゼなら、原因が複雑に絡み合っているからです。

次に陰が消耗した場合、のぼせやほてり・気分の高ぶり寝つきが悪い、一晩中悶々とする、といった不眠になります。
このタイプの不眠には心の陰を養うようにします。
安神作用のある漢方薬を選択します。

最近、相談が多いのが気の不足(気虚・陽虚)からの不眠。
症状としては心の働きが弱まり、不安感や細かいことが気になって、寝つきが悪い・怖い夢をよく見る、少々動くとすぐ動悸がする・疲れやすいといった症状があります。
このタイプには、精神不安を鎮める作用のある漢方薬を使用することになります。

これらは、いずれも体内の血・陰・気などの不足による虚証タイプの不眠です。
他にも不眠の原因はありますので、自己判断はしないでくださいね。

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