不妊の原因が不明でも男性(精子)が問題とういことはわかっている

男性不妊(精子の質)は原因不明がほとんど

近年、 男性の精子のDNAの損傷がよく話題になります。
今日は『酸化ストレスと男性不妊』について。
自覚が足りない男性が圧倒的に多いのが不妊治療の妨げにもなっています。
特に、自分は大丈夫という理由の無い自信。

不妊カップルの半数に男性因子が存在しています
・造精機能障害の多くは原因不明です

精子が作られない(子どもを作る能力の低下)

男性不妊の原因のほとんどは、造精機能障害(精子がうまく造られない状態)であり、その半分弱は特発性と呼ばれる原因不明ですが、この原因不明の多くは酸化ストレスと関連していると推定されます。

男性因子に対して適切な対策を行うことで精液所見だけでなく、体外受精成績まで改善することが知られています。

男性不妊の多くに酸化ストレスが関係しています

体内で発生する活性酸素は、身体を酸化、さまざまな不調や病気の原因となります。

通常は活性酸素のダメージを受けても抗酸化力が働いてバランスを保っていますが、酸化力が抗酸化力を上回ると酸化ストレスとなってしまいます。

酸化ストレスによる精子障害のメカニズム

酸化ストレスは、精子頭部のDNAを損傷したり、体部や尾部の細胞膜の脂質や細胞質のタンパク質を酸化します。

DNA損傷は受精率低下や流産率上昇を招きます。また、細胞質の脂質の酸化は細胞膜の柔軟性を低下させ、精子細胞のタンパク質の酸化もあいまって、運動性の低下を招きます。

Hum. Reprod. Update 2008; 14: 243.

男性の加齢が生殖に悪影響であることを示す論文が数多く発表されています。

・男性の加齢により精子DNA損傷が多くなる
・精子のDNAは酸化ストレスに影響を受けやすい
・加齢により酸化ストレス(活性酸素)が増加する
・精子DNA損傷増加により妊孕性が低下する

男性不妊外来を受診した16,945名を対象に、精液検査、精子DNA損傷(DFI)、未熟精子率(HDS)、活性酸素を検査し、平均年齢37.6歳で、30歳未満から5歳刻みで、55歳以上までを7群に分け年齢による変化を後方視的に検討しました。DFI、活性酸素は加齢とともに有意に増加し、未熟精子率は加齢とともに有意に減少しました。

Hum Reprod 2020; 35: 2188

精子検査における漢方の使い分け

私は、カウンセリングで精子の運動率、精子量、精子濃度と精子の奇形率、精子のDNAの損傷については、違う漢方をお勧めしています。

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