ホント?夏のウナギで元気になる漢方の理屈

日本の夏、ウナギの夏

夏のスタミナ源として、ウナギをよく食べる習慣があります。
実際には天然もののうなぎがおいしい時期は、実は夏ではないんです。
脂がのっておいしいうなぎは晩秋から初冬にかけて。
そもそも、うなぎは冬眠する生き物。
晩秋には冬眠に備えて体に栄養を蓄え、脂がのっておいしくなります。

夏のウナギで腎を補い気を強める

この時期にウナギを好んで食べる習慣は、漢方の本場、中国にはありません。
ないからと言って、健康的にはどうなの、ということを中医学的に考えてみました。

日本の夏は高温多湿で、大量の汗をかきます。
日々、沢山の汗をかくと、体内の気を消耗してしまいます。
そのためエネルギー不足の状態(気虚)に。
さらに、冷たい物が大好き。
ギリに冷たい物の過食は陽気を傷つけ、気虚をさらにすすめてしまいます。

ウナギの性質は「腎を補い、虚弱を強壮する」(本草彙言)とされています。
この辺の「食材」に関しての区分は、他の分野でも使用されていること。
基本は中医学ということを憶えておくと、間違うことが少なくなるはずです。

では、暑い夏に体調を崩す理由がわかれば、あとは対策です。
中医学の根幹をなす理論の1つに「気の源は腎の精にある」(黄帝内経)と古典に書かれています。
この2つの考えを合わせると、夏のウナギは腎を補い気の働きを強める、まさに“精”のつく薬餌ということになるんです。

夏に腎を強化することは、ゼンソクや関節痛といった冬に現れやすい病気を予防したり、症状を軽減してくれます。
夏の養生は冬の症状を軽減してくれるんです。
中国漢方では「冬病夏治」といわれています。
腎を強化する漢方薬は数多いが、なかでも海馬補腎丸は滋養強壮薬としてよく使われます。
海馬(タツノオトシゴ)、鹿茸(シカの角)などの貴重な動物性生薬が含まれており、腎気を補う作用があります。
ただし、この時期は発汗により陰(水分)を消耗しやすいので、日頃のぼせやほてり傾向のある人は比較的作用の穏やかな六味地黄丸系統の薬を併用するようにしています。

漢方で、大事なのが組み合わせなんです。

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