漢方でのステップアップとは
みなさんが気になるのが漢方を使用した場合のメリットだと思います。
タイミング療法の場合、大きく分けて2つあります。
自然周期の場合と排卵誘発剤を使用する場合です。
タイミング療法でも、使用する漢方が微妙に違ってきます。
それは、病院での治療でホルモン剤が体に与える影響があるからです。
一般的な病院でのステップアップと、漢方でのステップアップは少し違います。
ナニが違うのかというと、漢方は、その人が望む治療法に合わせるということです。
どんな治療にでも合わせるコトができるのが漢方での不妊治療なんです。
もちろん、漢方だけで妊活することもできますし、病院での不妊治療に合わせるコトもできます。
漢方での不妊治療を選択した場合に、考えて欲しいコトを順番に解説していますので、まずはステップ1から読んでみてくださいね。
過去記事:不妊治療のための漢方 ステップ1
不妊専門病院でのステップアップ
Step1 タイミング法
排卵日を特定し、夫婦生活をもっていただく方法。
排卵誘発剤を使用することがあります。
Step2 人工授精法
排卵日に、特殊な注射器で精子を子宮の中に戻す方法。
採取した精液を洗浄・濃縮して運動良好な精子を注入。
Step3 体外受精・胚移植(IVF-ET)
卵と精子を体外に取り出して、培養液の中で受精した受精卵(胚)を子宮の中に戻す方法。
Step4 顕微授精(ICSI)・胚移植
体外受精で受精しない(培養液の中で精子と卵を一緒にしても受精しない)か、精子の数や運動が極端に悪い場合。
顕微鏡下で1個の精子を直接卵に注入。
一般的には、これらの治療の進め方をステップアップといいます。
タイミング療法と漢方を併用する理由 Step2
西洋医学治療
タイミング療法
超音波検査で卵子の大きさやホルモンの状態をチェックしたうえで、排卵日を予測し、セックスにベストなタイミングを指導する方法です。
不妊検査の結果、ホルモンのバランスが乱れている、排卵していないことがわかったときは、排卵誘発剤などを使って、妊娠率をアップさせることもあります。
排卵誘発剤
排卵そのものがないとき、排卵が起こりにくいとき、また、排卵があっても卵の数を増やして妊娠率をアップさせたいときに使われる薬です。
人工授精や体外受精など、高度な不妊治療でも使われます。
のみ薬と注射があり、治療法やホルモン値などから、その人に合ったものを選びます。
費用は自費となります。
漢方でできること
自然周期の場合
タイミング療法を行なっている場合は、できるだけ質のよい卵子や精子を育てる体づくりをめざします。
卵巣機能やホルモンバランスをつかさどる「腎」の働きを高める「杞菊地黄丸」や「参茸補血丸」などの漢方薬を使います。
また、「血」を増やして、卵や受精卵に充分な栄養を与え、子宮内膜の状態をよくするために、「婦宝当帰膠」なども使われます。
男性側も、生殖機能をつかさどる「腎」の働きを高める「海馬補腎丸」などを使い、精子の数を増やし、精子の運動率を高めていきます。
排卵誘発剤を使用する場合
代表的な排卵誘発剤である「クロミッド」を使いつづけると、おりものが減る、基礎体温が上がる、子宮内膜が薄くなるといった症状があらわれることもあります。
漢方的には、こういった状態は体のうるおい(陰)が消耗して熱がこもっていると考えます。
くずれたバランスを戻すため、体内にうるおいを与えながら熱を取り除く「瀉火補腎丸」や「血」のめぐりを改善する「婦宝当帰膠」や「冠元顆粒」などが用いられます。