血栓の発生率は腺ガンがトップ
ガン患者で見られる血栓の合併症の発生率は非常に高くなっています。
ガンで死亡した20人の患者の死因を調べた、ある研究グループの報告によると、ほぼ全員に微小血管の血栓があり、その中の9人には大きな血管に血栓が見られました。
また、別の研究者が547例の白血病と脳ガン患者の死因を調査した結果によると、47.5%〜50.3%の患者に血栓が見つかり、胃ガンや大腸ガンに代表される腺ガンでの発生率が最も高くなっていました。
膵臓ガンでの血栓発生率が66.7%で最も高く、肺ガン、胃ガン、卵巣ガンでも50%以上となっていました。
ガンで突然死した患者のうち、肺動脈血栓の発生率は45〜55%に達しています。
また、血栓の多くは、浅い表面の静脈血栓あるいは下肢の深部静脈血栓となっています。
ガンの合併症 血栓と出血にご用心
ガン、またはガンの転移した腫瘍などは静脈周囲で拡大すると静脈を圧迫し静脈の流れを悪くすることがあるんです。
そのため血流に滞りやすく血管の中では血液が固まりやすい状態になります。
そのため静脈血栓が出来やすいんです。
非常に元気に生活されている方でも血栓が出来たり、ガンと離れた場所で血栓が出来たりすることもわかってきました。
治療でも血栓の可能性が
手術の影響で創部付近の静脈の圧迫や血流障害が生じた時や、手術後の疼痛や発熱、脱水、体力低下などで、なかなか離床が出来ない方などでは、静脈血栓症の合併が多くなります。
一部の抗ガン剤・分子標的治療薬などは血管障害を引き起こし、障害された血管部分や下肢静脈に血栓が出来やすいことが知られています。
漢方で淤血対策
血(けつ)における主な異常は血の不足した状態である血虚(けっきょ)、そして血が停滞した状態である瘀血(おけつ)です。
そして、漢方には、個人の体質に合わせた瘀血対策方法があります。