ガンと瘀血(おけつ)のための漢方

ガンと血栓の関係

ガンの合併症には血栓によって起きる出血があります。
一般的には広い範囲にわたる血管内での血液の凝固(凝血)が原因といわれています。
ガンは凝血を促す物質が少しずつ放出することがあります。
そのため慢性的な血管内での凝血が起こることがあるんです。

中医学では、このような場合、瘀血(血液の滞り)と考えます。
瘀血によって血液が経脈(気や血液が体内を流れる通路)に戻れないために起きるのものと、とらえています。
瘀血(血の滞り)からの皮膚や粘膜に出血や紫斑、他にも胃腸や泌尿器系に出血の可能性があります。

ガンの血栓を中医学と西洋医学で考える

ガンが血栓を引き起こすのは、ガン細胞が何らかの原因で血小板の凝集を誘発したり、血液を凝固させる物質を放出すると考えられています。
ガン細胞は他の組織を破壊し、凝血因子を放出させて凝血システムを刺激することが報告されています。
他にも血管の内皮細胞を破壊し血小板の凝固を引き起こしたり、凝固を抑える活性力が弱くなって、血漿中の抗凝血酵素の水準が低下するなど、原因は多数の因子が複雑に絡み合っているように見えます。
どちらにしろ、患者の血液が高凝固状態になりやすく、血栓と慢性血液凝固を引き起こす状態になっているようです。
ここで大切なことは、ガンの特徴として血栓がある場合、出血を起こしやすくなるということです。
スゴく難しいことです。
血の流れが良くなると、出血しやすくなるからです。
漢方的に考えると、血液の流れをスムーズにさせて血栓を防ぐと同時に、止血効果のある薬を選ぶことが可能なんです。

瘀血と生薬(駆瘀血剤)

瘀血を改善するための漢方薬に、良く使われる生薬があります。

田七人参、茜草、丹参、赤芍、血竭などです。
これらの生薬は単一で使用されることはほとんどありません。
いくつかの生薬と合わせて、使用するのが一般的です。

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