アレルギーから蓄膿症へ症状が変化しやすい

誰もが蓄膿症になる時代

実は蓄膿症は俗語です。
正しくは「急性副鼻腔炎」といいます。
鼻風邪になると、鼻腔の炎症が副鼻腔まで拡がることがあり、鼻水や鼻づまりだけでなく、頭痛、発熱、顔面痛、歯痛などの症状が出てしまう、つまり症状が悪化した状態のことを急性副鼻腔炎というそうです。

近年、急性副鼻腔炎にアレルギー性鼻炎と同時になる症状が増えているそうです。
広島大学医学部耳鼻咽喉科のデータですと37~38%の方に合併があるとのこと。

つまり、急性副鼻腔炎(蓄膿症)はアレルギーが原因になっている可能性があるということです。
現在の生活習慣で、ほこり、ダニ、といったアレルギーの方が増加しています。
また抗生物質の性能がとても良く、鼻風邪をひいても副鼻腔炎になるまでこじれにくくなっているのですが、アレルギーを持っている場合、鼻や副鼻腔の粘膜がすでに腫れているため、急性副鼻腔炎が悪化しやすい状態にあります。

そのため、急性副鼻腔炎は免疫力の低下した高齢者には少なく、逆に花粉症が多い年代、つまり働き盛りの20~40代の人たち、ほこり、ダニの通年性アレルギーの子供たちに多いとされています。

蓄膿症を抑え、鼻の通りをよくする生薬

漢方界隈だけでなく、一般的に鼻の病気といえば、春先のアレルギー性鼻炎と思いがちです。
実際の漢方相談では蓄膿症で悩んでいる人が多いんです。
蓄膿症は、細菌の感染によって起こる副鼻腔の炎症ですが、症状としては辛く、頑固な鼻づまり、頭痛、さらには思考力にも影響があります。
蓄膿症は、中国漢方の古典「黄帝内経」に”鼻淵”として記載されています。
「淵」という漢字には「深い」という意味があり、水の澱んだ状態を表しています。
そうなんです、漢字の表すとおり、鼻淵は、濁った鼻汁が多量にたまる病気こと。

中医学(中国漢方)から見た蓄膿症とは

蓄膿症の原因を中医学(中国漢方)から見てみると、外因として「風熱」が考えられます。
風熱は、西洋医学では細菌感染による炎症と考えられています。
治療薬として、西洋医学では抗生物質を使いますが、中医学(中国漢方)の考え方では、構成が大きく2つのグループに分けて考えます。

1)菊花、金銀花などの、炎症を抑え、抗ウイルス・抗菌作用をもつ生薬が使われた漢方薬。
2)辛夷や蒼耳子などの、鼻腔の通りをよくする生薬が使われた漢方薬。

中医学では香りも効能として考えられています。
そのため香りの強い揮発性のある生薬は、鼻や肺など上部に作用しやすいんです。
花びらや、蕾など、香りのある生薬を煎じると、その匂いだかで鼻のつまりが通ることがあります。
皆さんも、体験したことがあるはずです。
ワサビを食べると、鼻にツーンと独特の刺激がきますよね。
辛味のものにも鼻を通じさせる作用があるからです。
このように、花びらや蕾など体の丈夫に作用する生薬や辛味の生薬が、膿汁を排泄して鼻のつまりを通し、鼻粘膜の炎症を改善させるのが、中医学での蓄膿症対策なんです。

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