白内障と漢方薬は使い方が難しい

白内障「陰虚」と「陽虚」で違う

中国漢方を勉強している先生から言われたことがあります。
「漢方薬は効かなかったことがある」
この先生、白内障に八味地黄丸がよいという記事をナニかで読んだらしく、一か月ほどまじめに服用したとのこと。
ところが、症状が良くならない。
逆に口渇やのぼせがだんだんひどくなり、血圧も上昇、ついには眼底出血までになったそうです。

ここで大切なのは弁証であり体質判断なんですね。
この先生の体質は、手足のほてりやのぼせといった熱性の症状が出やすい陰虚(体液不足)タイプなんです。
八味地黄丸には体を温める作用の強い附子や桂枝が入っており、陰虚タイプの人が服用すると熱症状がさらにひどくなります。

自分の体質に合った漢方薬を選ぶ

このタイプの人には、八味地黄丸から附子や桂枝を抜いた、六味地黄丸系統の薬を使います。
さらに六味地黄丸に目の働きをよくする枸杞子と菊花を加えた杞菊地黄丸を服用したところ、快方に向かいました。

その後、不眠症状があるときは天王補心丹、のぼせやほてりが強いときは瀉火補腎丸と、六味地黄丸系統の薬を使い分けて使うコトによって体調が良くなってきたそうです。

漢方は病名で選ばない

漢方薬を西洋医学的な病名だけに頼って使うと、体調を崩すことさえあるんです。
今回は同じ白内障でも、陽虚(冷え)タイプの人であれば八味地黄丸でよかったとはずです。
漢方薬は、それぞれの体質や状態(寒熱・虚実など)を慎重に見極めて使ってくださいね。

最新情報をチェックしよう!
>くすりの厚生会

くすりの厚生会

〒030-0803 青森県青森市安方1丁目3−3
Tel 017-722-4421

CTR IMG