男性に肥満が不妊の原因かもしれないというエビデンスがある

妊活で大事なのは今より健康であるべき

妊活は、女性だけの問題ではありません。
ナゼなら、受精卵は、卵子と精子が出会ってできるからです。
つまり、男性の精子の「質」がとても大事なんです。
精子は「男性」のコピーなんです。
つまり、健康状態のバロメーターでもあります。

普段の生活習慣が精子にも影響している

肥満の人が増えている昨今、下記の論文が発表されて大きな反響になっています。
妊娠中の母子の健康に、ご主人の体調が大きく関与している事が分かりました。

残念ながら妊活中の男性の大半は、痩せるために食事内容や栄養状況に注意を払っていません。

父親に肥満、糖尿病、高血圧、高コレステロール血症などのメタボリックシンドロームの病状が3つ以上ある場合、「妊娠の4分の1以上が子宮外妊娠、流産、死産に終わる可能性がある」と米スタンフォード大学のマイケル・アイゼンバーグ准教授の研究グループが発表しました。

父親の健康状態が流産リスクに関連の可能性

研究グループが米国の2009年から2016年までの約100万件の保険請求データから妊娠に関するデータを解析したところ父親がメタボリックシンドロームの要素を持たないカップルが妊娠を失うリスクは17%でしたが、父親がメタボリックシンドロームの要素を1つ持つカップルでは21%、2つでは23%、3つ以上だと27%に増加することがわかりました。

「この研究では父親の健康状態の悪さが流産の原因であることを証明することはできませんが、関連性があることを示しています。
これらの発見の臨床的意義は、父親の健康が妊娠に重要な影響を与える可能性があるため、妊娠前のカウンセリングに父親の同席を忘れてはならないということです」とアイゼンバーグ准教授は言います。

父親の健康が流産リスクに影響を与えるメカニズムは現時点では不明ですが、今後は父親の健康も含めて不妊治療関連の研究が行われることが増えていくのではないかと思います。

Association between preconception paternal health and pregnancy loss in the USA: an analysis of US claims data
「米国における妊娠前の父親の健康状態と妊娠損失との関連性:米国保険請求データの分析」

NCBI Literature Resources

肥満とは?

肥満を定義するうえでは、まずBMI(ボディー・マス・インデックス)について理解する必要があります。

BMI= 体重kg ÷ (身長m)2

適正体重= (身長m)2 ×22

という計算式があります。

BMI(Body Mass Index)は肥満の指標として世界的に広く用いられています。

WHOは、BMI 30以上を肥満と定義しています。

一方、日本ではBMI 25以上を肥満と定義しています。

これは日本肥満学会が定義した基準で、日本人の場合はBMI 25を超えたあたりから、

耐糖能異常
糖尿病
脂質代謝異常症
高脂血症
高血圧

といったいわゆるメタボリックシンドロームと呼ばれるような病気の発症頻度が高まることが理由のようです。

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