今飲んでいる葉酸が遺伝子まで影響がある最新エビデンス (葉酸 2)

葉酸の代謝に関わる遺伝子はMTHFR遺伝子のC677T&A1298Cの2種類です

MTHFR遺伝子のC677T&A1298Cの両方、もしくは片方に遺伝子異常がある人は、変換できないのでどんどん体の中にFolic Acid(人工葉酸)が代謝されずホモシステインが体に蓄積されることに。

赤ちゃんとのアレルギーの関係

葉酸の代謝遺伝子に異常がある人がFolic Acid(人工葉酸)を摂っていると出産後の赤ちゃんの小児期のアレルギーリスクを高めるという報告も上がっています。

実は、日本国内で市販されている葉酸サプリメントのほとんどがFolic Acid(人工葉酸)なのです。
日本人に本当に必要なのは「Folate(葉酸塩)」のほう。
こちらは天然葉酸塩と言われていて、すでに「メチル葉酸塩」に変換されている状態なので、食べ物から摂ったのと同じように吸収されます。

日本人だから天然がいいのかも

日本人の40%~50%はMTHFR遺伝子のC677TとA1298C遺伝子に変異がありますのでFolic Acid(人工葉酸)では流産や不妊、神経管欠損のリスクを改善できません。

ただ、異常があるから絶望的なわけではなくFolate(葉酸塩)のほうで正しく葉酸を摂れば、MTHFR遺伝子変異があっても防止はできるということです。

この遺伝子異常があると、葉酸が上手に代謝されない事になるので葉酸不足になり、ホモシステイン代謝が進まず血液中にホモシステインが溜まっていき高値が続くと脳梗塞や動脈硬化、アルツハイマー、パーキンソン病、高血圧のリスクが高まります。

葉酸塩はがんリスクを下げ、人工葉酸はこれを上げるすでにご説明した通り、葉酸塩はDNAメチル化に欠かせませんが、だからといって人工葉酸も同様の機能を果たすことは意味していません。

脳健康のための葉酸

天然葉酸塩は乳がんや子宮がんを予防する一方、人工葉酸で摂取するとその接種後に結腸直腸がんが増加していることと相関性があります。
不活性な人工葉酸を毎日、摂っていた女性は閉経後の血中に残留しており、ホモシステインの濃度が高い場合は自然のキラーセルが減少していることを研究でも確認しています。
脳健康のための天然葉酸塩とビタミンB群の重要性奇形児防止や農薬関連ASDリスク低減以外にも、十分な天然葉酸塩(他のBビタミンと共に摂る、特にB6とB12)を摂ることは鬱やアルツハイマー病の予防のためにも重要です。

作用機序の1つは、脳が萎縮していると濃度が高くなる傾向にあるホモシステインの抑制です。
これらのビタミンBが不足するとホモシステイン濃度が上がります。逆に、天然葉酸塩、B6、B12を十分摂ると、ホモシステイン濃度が下がります。
2010年にこの事実を確認したある研究が公表されました。
参加者らは偽薬か天然葉酸塩800 μg、B12を500 μg、B6を20 mg摂りました。
ホモシステイン濃度を制御すると脳の萎縮を軽減する可能性があり、従ってアルツハイマー病発病を遅らせるのではないかという前提に基づいてその研究は実施されました。

実際に、2年経過したときビタミン管理された人は偽薬グループよりはるかに脳の萎縮が少なくなっていました。
2013年のある研究はこの研究をさらに推し進めて、Bビタミン(天然葉酸塩、B6、B12)がアルツハイマー病により最も重篤な影響を被る脳の領域の萎縮を遅くすることを発見しました。
その決定的な領域の萎縮は700%も減少しました。
脳全体としては萎縮が90%まで削減されていました。

葉酸と遺伝子異常と自閉症

しかし人工葉酸の代謝遺伝子に異常がある人がFolic Acid(人工葉酸)を摂っていると上手に代謝されない事になるのでメチル葉酸塩不足になり、ホモシステイン代謝が進まず血液中にホモシステインが溜まっていき高値なりアルツハイマー病の進行を進めてしまいます。 
この遺伝子異常は、上記の病気や、自閉症の治療という事では認識されていますが不妊としての認識は現在、ほとんどありません。

「葉酸」は、人工葉酸(Folic Acid)ではなく、天然葉酸塩(Folate)のほうを摂ることが大切です。

そして、葉酸 3 へ続きます

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