食養生とガン
最近の研究によると、ガンの発生原因の三分の一は、食事と関係があるといわれています。
高温条件の下で製造・加工された食品は、発ガン物質が形成されます。
よく知られているのは、焦げた食品の発ガン性です。
パンや魚、肉類の焦げは、細胞の突然変異を引き起こす物質として、大腸ガンや乳ガンなど多くのガンのもとになります。
代表的なものにベンツピレンという物質があり、食品の燻製品にも含まれています。
また、穀類や豆類に寄生するカビにも発ガン性があります。
特に、ピーナッツのカビから分離されたアフラトキシンB1という毒素からは、強力な発ガン作用が確認されています。
漬け物のなかの亜硝酸ナトリウムや食品添加剤にも、ある程度の発ガン性があります。
多くの研究報告によると、脂肪の多い食事は乳ガンや大腸ガンを引き起こす可能性が高いとされ、さらに前立腺ガンや膵ガン、子宮ガンの発生にも結びつく恐れが強いといわれています。
飲酒過多は、いくつかのガンのリスクファクター(危険因子)となります。
肝ガン発生のプロセス中で、酒と肝炎ウイルスあるいはアフラトキシンB1との間には一定の関連性が見られます。
酒の席にはタバコはつきものですが、この場合には酒とタバコの相乗効果で口腔ガンや食道ガンの危険度が倍増します。
胃ガンと食物の関係でいうと、高濃度の食塩が含まれる食物をとり過ぎると、胃粘膜を損傷し、ガン発生の引き金になりことがあります。
ガン流行病学の研究によると、新鮮な果物を野菜を積極的にとることで、ガンの危険性が低下するとされています。
バナナ、アスパラガス、ニンニク、にんじん、サージ、ハトムギなどには、比較的強い抗ガン効果が含まれているようです。バナナとアスパラガスには、抗ガン元素として期待されている微量元素のセレンが多く含まれています。